2025年3月11日火曜日

問題解決(101) 「自分でコーチの力を果たす」

 新しい行動を身につけるには、コーチがいないとできないというわけでない。自らの力で身につけなければならないことも多い。自ら、適切な標的行動を設定して、適切な行動がなされているかフィードバックができるようにすることである。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第101回目の引用である。

【引用はじめ】

 スポーツに限らず、何か新しいことを学ぼうとするときには、モデリングやシェイピング、プロンプトやフィードバックを駆使してくれるコーチの存在が重要になる。でも、コーチかいなければ学習が不可能だというわけではない。自分でコーチの役割を果たすこともできる。この場合、どんな行動レパートリーが必要か。

 コーチ兼選手をうまくこなすためには、標的行動と自分の行動についての言語行動レパートリーが豊富でなければならない。たとえば、何が標的行動か言えること、標的行動からずれた行動を見たら、その点を指摘できること、自分の現状の行動を観察してどこが標的行動と違うか指摘できることなどである。こういった言語行動レパートリーはまさに "自己教育力" と呼ばれる力の根底をなすものだろう。

(島宗理著 「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」 1999年 開成出版刊、p.51~p.52, p.111)

【引用おわり】

 私たちはコーチなしで適切な行動を身につけている。ただ、時間がかかって簡単には身につかない困難な行動に対して、単独で身につけるには計画的に段階をふんだ取り組みが必要である。現状のレベルに合った標的行動を決め、その適否を判断できなければならない。その状況が言語で適切に表現できるようにするのである。 

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