2025年4月22日火曜日

問題解決(141) 「動機づけが効果的でない」

 効果的な動機づけにするためには、どうすればよいか。行動の結果が明確で確実で、迅速に現れることが必要だ。うまくいったことが、即座に評価されることが大事である。そうしたことが、意外となされていないので、動機づけがうまくいかないケースが多い。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第141回目の引用である。

【引用はじめ】

 営業成績を上げれば昇進やボーナスの査定にプラスになるとはいっても、課長になるにはどれだけ成績を上げる必要があるのか、また、どれだけ契約を取ればいくらボーナスが貰えるのか、といった具体的な関係が明確でないと、動機づけの手段としては不確実です。

 契約や達成感は、優秀な契約活動の一挙一動に必ず伴うわけではありません。確率的には非常に低い出来事です。だから行動を動機づけるにはこれも不確実な結果なのです。結果の伝達が迅速とはいかない問題があります。

 行動の結果が明確で、かつ、確実であっても、その伝達に1年も2年もかかるようでは動機づけの力も弱まります。たとえば優秀な営業活動に従事して会社の業績が上がっても、それが自分に戻ってくるには早くても半年から1年はかかるでしょう?そういう結果は、なかなか、効果的な動機づけにはならないのです。

(島宗理著「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」 1999年 開成出版刊、p.90)

【引用おわり】

 動機づけを高めるのは、行動の結果しだいである。それも行動の結果が不確実ではだめだ。明確かつ確実な結果によって即時であればあるほど、行動の動機づけは高まるのである。行動とその結果といった行動随伴性の関係をうまく整備する必要がある。 

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