2025年4月23日水曜日

問題解決(142) 「叱咤激励は有効か?」

 営業活動がうまくいかない。頑張っているのだが、契約を取るのに苦労している。上司から叱咤激励が入る。そうだからといって、契約にこぎつけられるわけでない。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第142回目の引用である。

【引用はじめ】

 部長が部下に対して動機づけるやり方として、叱咤激励を行う。部下の仕事ぶりをよく見て、なまけていれば、渇を入れ、よくやっていれば、誉める。元気のない部下は飲みに連れていって力づける。といったことを主張する部長がいます。

 ただ、営業活動が不振だからといって上記のやり方は適切だろうか。一つの契約を取るには長い時間がかかるし、できることすべてをやっても契約が取れないこともあります。ある時点で、ある担当者の営業成績が低いからといって、それがそのまま"優秀な営業活動"をしていないことになるでしょうか?

 もしかして、 "優秀な営業活動" をしているけど何か他の事情で成果がでていないときに"渇"を入れてしまう危険性はありませんか?そんなことになったら"優秀な営業活動"を逆に妨げてしまうかもしれません。

(島宗理著「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」 1999年 開成出版刊、p.92~p.93)

【引用おわり】

 営業において、契約を取るまでには、さまざまな課題がある。それを一つずつクリアすることが必要だ。それを上司が叱咤激励するだけには、成果にこぎつけられない。部下の途中経過に目配りするなど、適時適切な支援をするのである。ただただ、叱咤激励によってもいい結果につながることは少ない。 

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