2024年12月24日火曜日

問題解決(23) 「弱化の原理の問題」

 弱化の原理には、強化の原理と比較すると、問題がある。適切な行動を引き出そうとすると、弁別の原理や回復の原理が働いて、うまくいかない。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第23回目の引用である。

【引用はじめ】

 叱ることによる弱化の行動随伴性は、弁別の原理が働いてしまうから、上司がいるときにしか有効ではない。一日中、新人に付き添っているわけにはいかないし、それに何とも言っても、おしゃべりしていないからといって仕事をしているとも限らない。静かにしていても、今晩のデートのことを考えているかもしれない。

 弱化の行動随伴性は、望ましい行動を伸ばすという点からは欠点が多い。さらに弱化の行動随伴性には人間関係に悪影響を及ぼすという副作用がある。

 弱化にはこのような限界がある。だからパフォーマンス・マネジメントには強化の原理を多用するのが望ましい。通常、職場には、思いのほか強化の行動随伴性がかけている。

(島宗理著 「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」1999年 開成出版刊、p.14)

【引用おわり】

 叱ったりすると、その行動が止まるので弱化の原理をついつい使ってしまう。しかし、それは一時的なことが多い。それでは満足できることではない。もっと別なやり方が望まれる。 

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