道徳的な行動レパートリーを獲得するのは、過去に経験した強化や弱化によるものである。生活の中で、繰り返し行動した直後の行動随伴性によるものなのだ。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第113回目の引用である。
【引用はじめ】
砂場で遊んでいて、近所の子どもがお山を作るのを、母親から「手伝って上げたら」と言われ、ショベルを貸してあげたときに、「親切ね。えらいわよ」と誉められたかもしれない。強化の原理によって友達に協力する行動が増える一方、派生の原理によって「人に親切にする」ということが好子化したのかもしれない。
こうした何千回、何万回にもわたる過去の強化や弱化によって、道徳的な行動レパートリーが獲得され、また道徳的な好子や嫌子が身についていくと考えられる。だから、もしそれが改善しようというなら、家庭や地域での "しつけ" を見直さなくてはならない。親や教育者としての地域住民のパフォーマンス・マネジメントが、本来なら望まれる。
(島宗理著 「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」 1999年 開成出版刊、p.58~p.59)
【引用おわり】
"しつけ" と称するものが、適切な道徳的な行動であれば、そうした行動レパートリーを身につくようになる。親も教育者も地域住民も、こうしたパフォーマンス・マネジメントが行われれば、道徳的な行動レパートリーを獲得できる。そんな社会でありたい。法令順守が今や世の中の常套句となっている。パフォーマンス・マネジメントが行き届けば、そうした社会が実現可能である。
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