2025年5月4日日曜日

問題解決(153) 「年俸制とペイ・フォー・パフォーマンス」

  年俸制というのは、必ずしも成果とつながるかというとそうでもない。行動と成果のつながりが明確でない。成果との関係において動機づけられているものとは限らないのである。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第153回目の引用である。

【引用はじめ】

 1年間に経営者は数多くの意思決定を行います。どれが会社の利益アップに貢献し、どれが足を引張ったのか、客観的な判断は非常に難しいのです。ゴルフの打ち放しに出かけて100球練習したけど、1打1打の結果(ナイスショットとかダブったとか)が1年後にようやくわかるようでは練習にならない。だから、短期間の、より具体的な目標を設定するのはそのためです。

 3ヶ月毎にパフォーマンスが評価されれば、自分が適切な意思決定しているかどうかフィードバックが受けられるし、修正もできる。

 そして最も大切なのは会社全体のABCが一貫するようにマネジメントすることです。経営陣の給与を成果によって支払っても、経営陣の意思決定に従って実際に仕事を進める人達の行動も同様にして動機づけなければ、組織全体の達成は難しい。ここが年俸制とペイ・フォー・パフォーマンスの大きな違いです。

(島宗理著「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」 1999年 開成出版刊、p.99)

【引用おわり】

 ペイ・フォー・パフォーマンスは、目標が具体的で短期的に評価ができる。行動と結果もつながりやすい。また、組織のどの階層・職種にも導入しやすい。年俸制とはこうした大きな違いがある。

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