笑顔や言葉は、生まれつきの力ではなく、経験によって「うれしい」と感じるようになった習得性好子である。人の温かさが、行動を支える力になる。
【引用はじめ】
私たちの社会には、経験によって好子となった習得性好子がたくさんある。たとえば褒め言葉というのも実は習得性好子だ。笑顔や注目も習得性好子だ。だから、たとえば一度も聞いたことのない外国語で、話し手の顔も見えない状態で褒められたとしても、それが行動を強化する可能性はほとんどないであろう。つまり、言葉というのは本来的には単なる記号にすぎず、それ自体ははじめから好子でも嫌子でもない。これらが、行動を強化しうる好子となったのは、生まれたあとのある段階で、生得性好子と同時に与えられた(専門用語では対提示という)経験があるからである。たとえば、赤ん坊の頃、母乳やミルクといった生得性好子を養育者から与えられる際には、同時に、笑顔、言葉かけ、やさしいまなざしが与えられることが多い。その結果、笑顔や、やさしいフレーズの言葉、やさしいまなざしが習得性好子になる。
習得性好子=他の好子と対提示されることで好子としての機能を持つようになった刺激や出来事
(舞田竜宣・杉山尚子「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」日本経済新聞出版刊 2008.12.16, p.225~p.226)
【引用おわり】
やさしい言葉や笑顔が行動を強化するのは、過去の温かい経験が心に残っているから。日々の関わりが、次の行動を育てていく。