仕事が満足にしないという行動の問題を、心の中に原因があると捉えるのを「医学モデル」という。やる気がない、能力がないといったように捉えるのである。そうしたことは、本当に行動の原因なのだろうか。それを追求すれば、問題を解決することができるか。
【引用はじめ】
行動の問題が起きたとき、多くの人は、やる気、能力、意識、意欲のように、心の中に原因があると考える。これが医学モデルである。すなわち、身体の中の変調が原因で病気の症状が現れるように、心の中の問題が原因で行動に問題が起こるとするのが「医学モデル」と言われるものである。
医学モデルを使って行動の問題の原因を見つけようとすることには、二つの弊害がある。一つは、循環論にはまり、本当の原因を見つけられないことだ。
満足な仕事をしないことの原因は、「やる気がない」ことだと考える。それでは、なぜその部下が「やる気がないやつ」だとわかるのだろう。それは、期日までに仕事を仕上げないし、質の低い仕事しかしないからである。すなわち、「やる気のなさ」というのは、「満足な仕事をしない」ことの言い換えにすぎない。やる気というのは、その人の行動につけられたレッテルなのであって、行動の原因ではないのである。
(舞田竜宣・杉山尚子「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」日本経済新聞出版刊 2008.12.16, p.15~p.16)
【引用おわり】
やる気がない、だから仕事が満足にできない。逆に、仕事が満足できないのはなぜかと問うと、やる気がないからだとなる。結局、それが永遠に続く。循環論となってしまう。これでは、問題解決にはならない。