2021年1月31日日曜日

規則を破る行動に消去はあまり効果なし

 規則を破る行動を減らすには、消去を使ってもあまり効果がない。弱化の方が効果がある。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第27回目である。

【引用はじめ】

 規則を破るという行動を減らすために消去を使ったかどうか。

 消去なら、何もしない、強化しない(褒めない、注目しないなど)ということだから、叱るとか罰するよりも、やりやすいと感じる人も多いだろう。

 人が規則を破るのは、それによって何らかのメリットがあるからである。自分だけ得できるとか、面倒くさいことをしなくて済むとか。つまり、そこに強化が働いているから、人は規則を破るのだ。

 しかし、それに対して、こちらができる消去には、規則を守らなかったら褒めない、といった程度のことでは、規則破りを強化しているメリットの魅力にはなかなか対抗できない。

 だが、規則を破ったら怒られる、という弱化を使えば、多少の得があっても、怒られるのが嫌で規則を守る、ということはあるだろう。 

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.40~p.41

【引用おわり】

 人はなぜ規則を破るのか。何らかの強化が働くからである。規則を破ることで得するようなことがあるからだ。

 そうならないよう、規則を破った直後に得にならないよう弱化するのである。叱られたり、嫌なことをさせられたりする。罰せられることが必要である。

2021年1月30日土曜日

規則を破ると罰せられる弱化も必要

 規則を破ったら、叱られたり、罰せられたりする。こうした弱化の必要性についてどう考えるか。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第26回目である。

【引用はじめ】

 弱化の例

 (直前)叱られない⇒(行動)規則を破る⇒(直後)叱られる

 (直前)罰せられる不安なし⇒(行動)規則破る⇒(直後)罰せられる不安あり

 自分はできるだけ強化を使って人や自分をマネジメントしたい。弱化は使いたくない、と思う方がおられるかもしれない。

 たしかに強化は行動の後に心地よさを感じさせることだから、強化する側も気持ちがよい。一方、弱化では人の行動の後に、その人に嫌な気分を味わわせるかもしれない。

 だが、世の中には弱化しなければならない行動がある。例えば各種の規則違反である。交通法規はもちろん、仕事に関する法令順守、また人として守るべき社会的規則など、私たちの周りにはたくさんの規則がある。

 これを徹底させるには、守ったら強化するだけでなく、破ったら弱化することも併せて行わなければならない。だから、規則を破ったらその場で叱られるとか、「これをしたら罰を受ける」という不安を持たせるなどの方策が必要なのである。 

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.38~p.39

【引用おわり】

 規則違反に対して、どう対応するか。強化したらますます規則違反をするようになる。その場合は、弱化(消去)すべきである。秩序を守ることが重要だからだ。但し、弱化の多用は留意すべきであることは確かである。 

2021年1月29日金曜日

弱化を強化に転じる

 子どもを勉強好きにしたいというのは、多くの親の願いである。そのためには、どうするか。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第25回目である。

【引用はじめ】

 子どもが「勉強する」という行動を頻繁にするかどうか、勉強好きになるかどうかは、その子をめぐる強化と弱化(消去)のどちらが強いかによって決まるのだ。

 弱化を強化に転じる〉

 弱化 (直前)遊べる ⇒ (行動)子どもが勉強する ⇒ (直後)遊べない

  ↓

 強化 (直前)遊べない ⇒ (行動)子どもが勉強する ⇒ (直後)遊べる

 勉強好きな子どもを育てようと思ったら、いかに強化を多くし、弱化を少なくするかがポイントとなるのである。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.37

【引用おわり】

 子どもが勉強するようにするには、「勉強する」直後の状況を強化するのである。「勉強する」直後に良いことがあれば、勉強を繰り返すようになる。

 逆に「勉強する」直後に嫌なことがあれば、勉強をしなくなる。勉強することを弱化する状況では、勉強をしなくなるのが当然だ。

2021年1月28日木曜日

強化と弱化が同時に存在

 人は行動の直後にさまざまな状況にさらされる。その人が行動の直後に「良いことがある」「何も変わらない」「嫌なことがある」などだ。それによって、その行動を、「もっとするようになる」「徐々にしなくなる」「しなくなる」のである。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第24回目である。

【引用はじめ】

 子どもはゲームが好きなのに、勉強をしている間はゲームができない。すると、遊べないということが、「勉強する」という行動を弱化することになる。あるいは、勉強していると、友達から、からかわれることもあるかもしれない。子どもにとって、友達の言動は強烈な影響力を持つので、子どもは勉強しなくなる。

 私たちは、絶えず何らかの強化・消去・弱化にさらされながら生きている。

 それも、同じ行動に対して、複数の強化や消去や弱化が同時に働いていることも珍しくない。

 子どもが勉強するという行動を見ても、「褒められる」「好奇心が満たされる」などによる強化と、「遊べない」「からかわれる」などによる弱化が同時に存在しうる。

 結局、子どもが「勉強する」という行動を頻繁にするかどうか、勉強好きになるかどうかは、その子をめぐる強化と弱化(消去)のどちらかが強いかによって決まるのだ。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.36~p.37

【引用おわり】

 私たちは、さまざまな状況の中で生かされている。強化されたり、消去されたり、弱化されたりしている。こうした複雑な状況を生き抜いているのである。わかりづらくて悩んでしまうことも多い。

 まずは今の状況を明確にして、行動の直後がどのようになっているかはっきりさせることだ。それが強化か、消去か、弱化かを把握するのである。 

2021年1月27日水曜日

弱化の例

 行動の直後に嫌なことがあると、不快感を覚え、それが繰り返されるとその行動はしなくなる。

 それが弱化である。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第23回目である。

【引用はじめ】

 (直前)上司に睨まれない⇒(行動)部下が上司に相談に行く⇒(直後)上司に睨まれる

 上司にも、いろいろな人がいる。相談に行くと笑顔で迎えてくれる人もいれば、無視する人もいるだろう。

 こちらが何か相談にのってもらいたいことがあって、上司のところに行くと、上司は邪魔くさそうにこちらをじろりと睨む。

 すると、いつもそのようなことをされては、こちらは相談に行きにくくなり、よほどのことがない限り、相談には行かなくなるだろう。これは、上司に睨まれるということが、部下に不快を感じさせるために、「相談に行く」という行動を弱化しているのである。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.34

【引用おわり】

 部下が困ったことを上司に相談に行く。ところが、相談に乗ってくれず、迷惑そうにする。そうしたことを繰り返されれば、その上司に相談には行かなくなる。相談に行くと上司から睨まれたりすれば、誰だって不快になる。それだったら相談なんか行かなくなるのは当然だ。相談に行くことは弱化される。 

2021年1月26日火曜日

弱化とは

 行動の原理には「強化」と「消去」の二つを紹介してきた。次は、「弱化」について紹介する。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第22回目である。

【引用はじめ】

 (弱化) 行動⇒直後に嫌なことがある(不快感・苦痛、心地よさの消失)

           ↓

      繰り返し体験・強烈な体験

           ↓

      その行動をしなくなる

 人の行動を制御する3つ目の原理は、弱化である。

 弱化とは、

  • ある行動をした直後に
  • 嫌なことがある(不快や苦痛を感じたり、心地よさが失われる)と、
  • その行動をしなくなる
 という原理である。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.33

【引用おわり】

 「強化」とは、行動の直後良いことがあり、その行動をもっとするようになることである。

 「消去」とは、行動の直後に何も変わらないことであり、その行動を徐々にしなくなることである。

 そして、「弱化」とは、行動の直後に嫌なことがあり、その行動をしなくなることである。

2021年1月25日月曜日

まずは成功体験が必要

 逆境に耐える人をつくるには、初めに成功体験が必要である。

 成功体験があればこそ、逆境を跳ね返す力になる。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第21回目である。

【引用はじめ】

 レースをしても勝ったためしがなく、いつも凡庸な成績で終わる人に、必死に走るというバーストは起きない。問題が解けたためしのない子どもが、難問を解こうと一生懸命にはならない。

 成功体験のない社員が、高い目標に向かってがんばるということはない。

 逆境をバネにできるような人間をつくりたいと願うコーチや、親や、上司は、まず弟子や子どもや部下に、成功体験を十分に積ませ、行動を強化しておかなけれはならない。

 初めはやさしいものでいいから、まず達成の喜びを十分に味わわせることが必要なのである。そして、徐々にハードル(課題、目標)を上げていくのだ。それを怠って、ただ闇雲に走らせ、勉強させ、働かせ、そしてうまくゆかないときに「逆境をバネにせよ」などというのは、間違いなのである。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.32

【引用おわり】

 人にとって、できることや成功を味わわせることは重要である。特に、最初の経験が次につながる。最初にうまくいくと、次の行動の意欲を盛り上げてくれる。次々とより良い行動になっていく。少々の壁にも頑張りがきくようになるのだ。 

2021年1月24日日曜日

逆境をバネにする

   今までの状況が急に変わる。今までやれていたことができなくなった。そうしたことを何とか変えようと頑張る。そのような行動はなぜ起きるのだろうか。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第20回目である。

【引用はじめ】

 「逆境をバネにする」

 (今までずっと) 直前〉「レースに勝たない」⇒行動〉「レースで走る」⇒〈直後「レースに勝つ」

    ↓

 (それがいきなり)直前〉「レースに勝たない」⇒行動〉「レースで走る」⇒〈直後「レースに勝たない」

    ↓

 (すると) 「もっと必死に走る」

 「逆境をバネにする」というが、あれもバーストの一種である。

 いつも徒競走で1番をとっていた人が、あるときから勝てなくなった。すると、その人は、勝ちたいと思って一生懸命走る。練習でも、本番でも、今まで以上に必死に走る。そして、その努力が実を結ぶと、再び勝てるようになる。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.31

【引用おわり】

 今までできていたことが、急にできなくなる。そうしたことに対して、できるようにするために今まで以上の努力をする。

 今までとは必死さが違う。うまくいかないことを克服しようとし続けるのだ。うまくいくようなさまざまな工夫を重ねる。問題を跳ね返そうとする行動が見られるようになるのだ。 

2021年1月23日土曜日

バースト

   人の行動の消去には、一定のプロセスがある。一時的に行動が爆発的に増えたりする。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第19回目である。

【引用はじめ】

 子どもが母親を呼ぶケースでは、普段なら、子どもが呼べば子どもの顔を見てくれる母親が、食事の支度で忙しく、子どもに呼ばれてもそちらを見ない。

 すると子どもは、初めは「お母さん」と普通の声で呼んでいたのが、無視されるうちに「お母さん、お母さん」と何度も切迫して呼ぶようになり、そのうち、「お母さん!」と大きな声でわめく。しかしそれでも母親がこちらを見なければ、しまいには諦めて声をかけなくなる。

 つまり消去というのは、最終的には行動を消し去るが、しかし初期にはかえって行動の爆発的な増大を招く。これをバーストという。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.30~p.31

【引用おわり】

 行動の直後の状況が変化しなくなると行動は消去する。

 しかし、簡単には消去せず、初めのうちは爆発的に行動が増大する。それがバーストである。消去の手続きにはそうしたことに十分留意する必要がある。

2021年1月22日金曜日

消去は一直線に起こるわけでない

    人の行動を消去するといっても、単純にはいかない場合がある。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第18回目である。

【引用はじめ】

 (今までずっと)直前「相手がこちらを見ない」⇒行動「相手に声をかける」⇒直後「相手がこちらを見る」

    ↓

 (それがいきなり)直前「相手がこちらを見ない」⇒行動「相手に声をかける」⇒直後「相手がこちらを見ない」

 消去は人の行動を「消し去る」わけだが、それは一直線に起こるわけではない。

 普段、私たちが誰かに声をかけると、その人はこちらを見てくれる。逆にいえば、こちらを向いてくれるから、私たちはその人に声をかける。つまり「こちらを見てくれる」ということが、声をかけるという行動を強化している。だから、声をかけてもこちらを見てくれない(無視する)人に対しては。こちらも声をかけなくなる。

 いつもこちらを見てくれることが、今回は声をかけてもこちらをみてくれなかった。そして、相手がこちらを見てくれるまで、何度か声をかけ続けたり、声を大きくしたりする。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.29~p.30

【引用おわり】

 「強化」する場合、行動の直後の状況を変えることで、新たな行動を形成する。それも一回で形成するわけでない。一定の回数を繰り返す必要がある。

 それと同様、行動を消去する場合も、消去する状況を繰り返す必要があるのだ。行動の直前と直後の状況が変化しないということである。 

2021年1月21日木曜日

強化されない限り、人は動かない

   子どもが勉強したら褒めたりしなかったら、子どもは勉強をするだろうか。子どもは勉強するのが当たり前と思っている親もいて、褒めるなんて甘やかしと思い込んでいる親もいることは確か。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第17回目である。

【引用はじめ】

 直前「親の褒め言葉なし」⇒行動「子どもが勉強する」⇒直後「親の褒め言葉なし」

 直前「好奇心が満たされない」⇒行動「子どもが勉強する」⇒直後「好奇心が満たされない」

 勉強しても親からは褒められることも注目されることもなく、さらには好奇心が満たされることもない。そんな経験しか知らない子どもが、勉強しなくなるのは当然である。

 つまり、強化されない限り、人は動かない。

 それは「良い」行動であるか、「悪い」行動であるかは関係ない。たとえ「良い」行動、「やるべき」行動であったとしても、それが強化されない限り、しないのが人の自然なあり方である。

 このことを認識していない上司や親が、意外と多い。「給料をもらっているのだから、働くのが当たり前」という上司や、「子どもは勉強するのが仕事」という親は、今一度、自分が部下や子ども対してきちんと強化しているか、自ら振り返ってほしい。

 そうした建前論が、部下の強化を怠る上司や、子どもの強化を怠る親の、都合のよい言い訳になっている。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.27~p.28

【引用おわり】

 子どもが勉強しても、親の褒め言葉もなく、好奇心が満たされることもない。

 そうなれば、勉強を続けるようにはならない。子どもが勉強した直後に、強化されなければ勉強はしなくなる。

 子どもを勉強好きするには、親が子どもを強化することも大事となる。

2021年1月20日水曜日

消去の例

  行動の直後に、相手から「無視される」「相談に乗ってくれない」などが繰り返されれば、相手に相談に行かなくなる。相談のしがいがないのだから。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第16回目である。

【引用はじめ】

 消去の例

 直前「上司の注目なし」⇒行動「部下が上司に相談に行く」⇒直後「上司の注目なし」

 直前「問題が解決しない」⇒行動「部下が上司に相談に行く」⇒直後「問題が解決しない」

 もし相談に行っても、部下が上司にいつも無視される。もし、あなたが相談に行っても、上司は忙しいのか、こちらを見てもくれないとしたら、あなたはどう思うだろう?

 何度もそんな体験を繰り返したら、あなたは、もう相談に行こうとしなくなる。

 また、この上司に相談しても、いつも問題は解決しないとしたら、そういう上司にあなたはこれからも相談に行くはずがない。 

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.26~p.27

【引用おわり】

 部下が上司に相談に行けば、上司がその相談を真剣に聞いてくれて、問題解決につながれば、上司への相談を繰り返す。そして、その上司を信頼することになる。これが強化の例である。

 しかし、上司が部下の相談に対して、うわの空で問題解決につながるようなアドバイスもなかったら、相談などしなくなる。それが消去という行動原理である。

2021年1月19日火曜日

行動を制御する2番目の原理=消去

 行動の直後に、「良いことがある」とその行動を繰り返すようになる。「強化」という行動の原理である。

 それに対して、「何も変わらない」ことがあるとどうなるか。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第15回目である。

【引用はじめ】

 消去

 〈行動⇒直後に何も変わらない(心地よさなし・苦しみからの解放なし)⇒繰り返し体験

⇒その行動を徐々にしなくなる

 人の行動を制御する2つ目の原理は、消去である。

 消去とは、

  • ある行動をした直後に
  • 何も変わらない(心地よくもならなければ、苦しみからの解放もない)と
  • その行動をしなくなる 

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.25

【引用おわり】

 「強化」の原理は、行動の直後に「良いことがある」とそれを繰り返す。

 「消去」と呼ばれる原理は、行動の直後に「何も変わらない」と、その行動をしなくなるのである。

 行動を制御する原理の2番目が「消去」である。 

2021年1月18日月曜日

なぜたばこを吸うことがやめられないか

 たばこを吸うことは、世間では危険視されているのにいまだに吸う人がいる。

 なぜか。やはり、強化されるからである。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第14回目である。

【引用はじめ】

 強化の例③

 (直前)「禁断症状あり」⇒(行動)「たばこを吸う」⇒(直後)「禁断症状なし」

 (直前)「解放感なし」⇒(行動)「たばこを吸う」⇒(直後)「解放感あり」

 (直前)「休憩なし」⇒(行動)「たばこを吸う」⇒(直後)「休憩あり」

 (直前)「大人のイメージなし」⇒(行動)「たばこを吸う」⇒(直後)「大人のイメージあり」

 たばこを吸う行動にはさまざまな強化が働いている。たばこを吸わずにいると、ニコチンの禁断症状が出る。たばこを吸うことで、その不快感から逃れることができる。また、禁断症状が出ていなくても、たばこを吸うことで、酩酊に近い解放感を感じる。

 さらに、たばこを吸うことで、休憩がとれるということもある。また、子どもが喫煙する大きな理由の一つは、たばこを吸うことで、大人のイメージが持てると感じていることがある。

 これだけの強化が働いている喫煙という行動は、なかなかやめられないのである。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.23~p.24

【引用おわり】

 喫煙という行動は、いくら体に悪いから、他の人に迷惑かけるからと言われても、やめられない。

 たばこを一服したくらいで、体に悪影響を与えるわけでない。また、決められた喫煙所で喫えば人の迷惑にもならない。

 それよりも、たばこを吸うことですっきりする気分を味わうことができる。そっちのほうがずっと自分にとっていいのだ。

2021年1月17日日曜日

「子どもが勉強しない」と嘆く親たちに対して

 勉強が好きになる子どもに育てたい。多くの親の願いである。「勉強しなさい」と口を酸っぱくして親が子どもに言う光景は日常茶飯である。それがなかなかうまくいかいない。どうしてだろう。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第13回目である。

【引用はじめ】

 「子どもが勉強しない」と嘆く親は、その勉強が子どもの好奇心を満たすものになっているか。

 子どもの興味の対象は人それぞれであるのに、関心のないことを無理やりに勉強させても、好奇心が満たされて楽しい、という経験にはつながらない。

 また、問題集を解かせるときでも、「答えは何だろう?」好奇心が、「答えが分かった!」という感激で満たされるには、問題が解けなければいけない。解ける問題をやらせることが大事なのであって、解けない問題ばかりやらせても、子供が勉強好きに育つことは考えにくい。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.22

【引用おわり】

 子どもにとって、勉強が興味の対象となって喜んで取り組むものになっているか。問題集なども自ら取り出して、挑戦し続ける子どもか。

 勉強が好きで好きでたまらない子どもにするには、それなりの戦略が必要ということである。親が頭ごなしに勉強を強制的してもそれが長続きしない。子どもが自ら勉強が好きになる戦略がなければならないのだ。 

2021年1月16日土曜日

勉強好きの子を育てる

 勉強好きの子にするにはどうするか。親が子どもが勉強していたら褒めることである。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第12回目である。

【引用はじめ】

 強化の例②

 (直前)「親の褒め言葉なし」→(行動)「子どもが勉強する」→(直後)「親の褒め言葉あり」

 子どもが勉強していたら、親が褒める。これは強化である。特に小さい子どもほど、褒められてうれしいと思う気持ちは強いから、小さい子どもにこれをすると、勉強好きの子が育つ。もちろん、何度も褒めることが重要である。 

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.21

【引用おわり】

 「子どもが勉強する」と、親の行動は前と後では変化する。

 「褒め言葉なし」だったのが、「子どもの勉強」に対して、「褒め言葉あり」となる。

 そうした変化が続くことで、子どもが勉強好きになるという考え方である。勉強しないとがみがみ怒ってしまう日常より、親にとっても子どもにとってもいい対応になるはずだ。ちょっとでも宿題していたら、親はそれを見逃さず褒める。それを親は続けるのである。 

2021年1月15日金曜日

強化は一回だけでは足りない

  相手に対して笑顔を見せたり、あるいはアドバイスをしたからといって、すぐすぐ相手の行動が変わるわけではない。一回や二回ぐらいの強化で行動が変わるのだったら苦労しない。行動の直後に適切な強化を繰り返すことである。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第11回目である。

【引用はじめ】

 行動に影響を与えるためには、強化は一回だけでは足りない場合が多い。だから、上司が一度だけ笑顔を見せたからといって、それですぐに部下がどんどん相談に来ると考えるのは甘い。たとえ自らが大変な状況にあったとしても、部下からの相談には常に笑顔で応えてあげる。

 また、部下からの相談に対し、常に適切な解決策を与えているだろうか。部下の気持ちが救われるようなアドバイスをしているだろうか。もし、それができているのなら、「あの上司に相談に行けば、いつも笑顔でむかえてくれるだけでなく、問題も解決する」ということで、部下は行列をなして相談に来るだろう。  

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.20

【引用おわり】

 相手が期待どおりに行動したら、適切な強化をすることによって、適切な行動を引き出すのである。

 適切な行動をした直後に強化するのだ。

 笑顔だったり、褒め言葉だったりすることである。ためらわず反応することが大事である。

2021年1月14日木曜日

部下が上司に相談に行く

 「部下が上司に相談に行く」には、その直後に上司の笑顔を得られるとか、問題が解決をするとかがあれば、「相談に行く」行動は確実に増える。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第10回目である。

【引用はじめ】

 強化の例①

 (直前)上司の笑顔なし→(行動)部下が上司に相談に行く→(直後)上司の笑顔あり

 (直前)問題が解決しない→(行動)部下が上司に相談に行く→(直後)問題が解決する

 上司に相談に行くと、「お、どうした?」と、いつも笑顔で迎えてくれる。そんな上司に対しては、部下も相談に行きやすいと感じ、実際によく相談に行くだろう。これは、上司の笑顔が部下に心地よさを感じさせ、部下の「相談に行く」という行動を強化しているのである。

 また、上司に相談すれば、問題が解決し、楽になる。そういう状況を何度も経験すれば、部下は、何かあったときに、一人でいつまでも問題を抱え込んだりせずに、上司に相談しようとするだろう。これも、問題が解決するということが、部下を苦悩から解放するので、部下の「相談に行く」という行動を強化しているのである。  

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.19

【引用おわり】

 部下が上司をけむたがらず積極的に接触するようにしたい。それには、上司も部下を笑顔で迎えたり、部下の問題を解決するようなことが必要だ。

 上司側からみれば、部下に対する受け入れにも気を遣うことが大事になる。部下にとって接しやすい上司を心がけることだ。 

2021年1月12日火曜日

強化とは

 行動のあり方について説明するときに、重要な概念は「強化」である。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第9回目である。

【引用はじめ】

 強化=「行動」→「直後に良いことがある」(心地よさ・苦しみからの解放)

→(繰り返し体験・強烈な体験)→その行動をもっとするようになる

 強化とは、「ある行動をした直後に」→「良いことがある(心地よさや、苦痛からの解放などがあると)」→「その行動をもっとするようになる」  

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.18

【引用おわり】

 行動の直後に、良いことがあると、その行動は繰り返すようになる。それが「強化」という概念である。

 こうした常識を精緻化したのが「行動分析学」である。私たちは日々の生活の中で、無意識に行っている。それを行動の学問として樹立したのが「行動分析学」なのだ。 

より良い行動を目指す

 人の行動を変えることによって、「良い部下を育て」、「上司を変え」、「自分を磨き」、「良い子を育て」、「良い会社をつくれる」。

 舞田本では次のようなことを目指すと述べている。その引用は第8回目である。

【引用はじめ】

  • 上司として、良い部下を育てたい
  • 同僚として、互いに協力し合いたい
  • 部下として、上司を変えたい
  • プロとして、顧客に好かれたい
  • 人として、自分を磨きたい
  • 親として、良い子を育てたい
  • トップとして、良い会社をつくりたい 

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.17

【引用おわり】

 人のさまざまな行動を良い方に変えることができる。どうすればそのように変えられるのか。とことん追求するのが、本書である。

 特別に難しいことを書いているわけでない。仮説的な深層心理をどうこうするわけでない。

 ただ、行動の直後の状況がどうなっているかに着目する。それを愚直に徹底するだけである。 

2021年1月11日月曜日

強化・消去・弱化で人の行動を制御

 「人は変われる」。人の行動を変えることができる。その基本を押さえることである。

 舞田本では次のように指摘する。その引用は第7回目である。

【引用はじめ】

 「人は変われる」のである。人にレッテルを貼って終わりにするのではなく、こうすれば人は変われるという具体的な戦略を示す。

 それでは、どうやって人の行動を変えられるのか。

 基本的には、「強化」「消去」「弱化」という3つの方法だけで、人の行動は制御できる。

 職場の上司、同僚、部下はもちろん、顧客の行動だって変えられる。職場関係だけでなく、家族の行動も変えられる。さらには自分の行動も変えることができる。また、個人だけでなく、組織の行動も変えられる。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.16

【引用おわり】

 人の行動を変える戦略さえあれば、人にかかわる行動を変えることができる。

 職場の人たち、家族、自分も含めてさまざまな行動を変えることができる。行動を制御する方法を学ぶことである。 

2021年1月10日日曜日

人の行動を性格や人格のせいにすることの問題

 私たちは、人の行動の良し悪しをその人の性格や人格のせいだという。本当にそうだろうか。

 舞田本では次のように別の見方を教えてくれる。その引用は第6回目である。

【引用はじめ】

 一般的に、人が問題行動をとるとき、周囲はそれを本人の性格や人格のせいにする。

 「あの人は、暗いから」「あの人は、怠け者だから」という具合だ。私たちは誰にでも、無愛想にしてしまう瞬間や、だらだらしてしまうときがあるのではないだろうか。とすると、私たち全員、暗い怠け者ということになるのだろうか?

 もちろん、そんなことはない。私たちは、別のときには愛想よく微笑み、また夢中になって何かをする。同じ人間でも、時と場合が異なれば、とる行動は違うのがむしろ普通だ。

 だが、もしそうした行動の違いも性格や人格のせいだというならば、私たちは頻繁に性格や人格が変化しているということになる。

 人がある行動をとるのは、その人の性格や人格のせいだというのは、間違いなのである。私たちは他人を指差して「暗い」「鈍い」「怠け者」「冷血」などという。だがそれは、相手にレッテルを貼っているにすぎないのだ。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.15

【引用おわり】

 人はさまざまな状況の中で、さまざまな行動をする。「あの人はとっても明るい人だ」と言っても、身近な人が不幸になったら「落ち込んで暗い人」と見える。

 人はさまざまな状況に応じて、いろんな面があるということだ。一面的に人を見て、決めつけてしまうと相手を誤解してしまう。性格や人格で人を見てしまうことの危険性を知っておくべきである。 

2021年1月9日土曜日

行動の理由を解明する心理学

  私たちは、良いことも悪いこともさまざまやる。特に、悪いことはなんとかしたい。悪いことをしてしまう理由はなんだろう。

 行動分析学がそれを教えてくれる。舞田本は次のように述べる。その引用は第5回目である。

【引用はじめ】

 行動分析学とは、人の行動の予測と制御(コントロール)を可能にする、一種の心理学だ。

 私たちは、いろいろな行動をする。良いことも悪いこともする。

 例えば他者には優しく接すべきだと分かっていても、つい、無愛想に接してしまうこともある。早起きは三文の徳と知ってはいても、つい、いつまでも寝床の中にいてしまうこともある。

 人はどうして、なすべき行動をしないのか? また、いけないと分かっていることを、ついやってしまうのか? 

 そこには全て、合理的な理由がある。その理由を解明するのが、行動分析学の第一の理由である。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.14~p.15

【引用おわり】

 行動分析学は、私たちの行動の理由を明らかにしてくれる。

 なぜ、遅刻してしまうのか。なぜ、宿題を忘れるのか。忘れ物が多いのはなぜか。

 そうした行動をしてしまう理由がわかるといい。行動分析学によって、その理由がわかるとその解決策も見えてくるのだ。

2021年1月8日金曜日

行動分析学とは

 人にとってより良い行動を増やし、望ましくない行動を減らす。さらに、会社などの組織も業績が上がり、働きがいある組織になる。

 そのためには、行動分析学を学ぶといい。その目的を舞田本は次のように述べる。その引用は第4回目である。

【引用はじめ】

 行動分析学とは

  1. 行動の理由を解明する心理学
  2. 性格・人格に原因を帰さない
  3. 人や組織の行動を変えることができる

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.14

【引用おわり】

 行動分析学とは、行動理由を性格などに帰すことなく、行動の制御ができるとする。今までの常識を変えるものである。

 精神分析などから見ると、表面的過ぎると軽んじられる。しかし、難しい理屈より分かりやすく効果的な方法を行動分析学はめざしている。それも単なる仮説でなく、証拠に基づく考え方として。

2021年1月7日木曜日

人は理屈通りには動かない

   人が自ら行動し、組織も明るく満ち満ちている。そんな風でありたい。

  次のように舞田本では目指している。その引用は第3回目である。

【引用はじめ】

 人は理屈通りには動かない。

 やらなければクビだといえば、確かに人は動くでしょう。ですが、それは心から動くことにはなりません。心から動いていない人や組織には熱がなく、成長力がありません。

 逆に、人の心が動く時、組織には奇跡のようなことが起こることがあります。

 人の意識と行動が変わることで、業績が上がるだけではありません。まるで職場の照明を全部取り換えたのではないかと思うほど、職場が明るく見えるのです。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.5

【引用おわり】

 人も組織もやり方によっては、奇跡のような結果を生み出せる。

 積極的に人が変わり、組織も変われば、やりがいを感じることができる。

 人や組織が変わる具体的な方法を学び、日々の活動に積極的に活用するのである。一石二鳥とはいかない。試行錯誤かもしれないが、実践あるのみである。

2021年1月6日水曜日

シンプルで効果がないと

  人の行動、自分の行動をコントロールする原理が分かれば鬼に金棒。それも分かりやすく、効果が目に見える。それを舞田竜宜氏は紹介してくれる。

 舞田本からの引用の第2回目である。

2021年1月5日火曜日

職場や生活に役立つガイドブック

  また、舞田竜宜氏の新たな著書を取り上げて、社員の意欲づけに役立つテクニックを学ぼう。よりわかりやすいガイドブックというふれこみである。

 「まえがき」によれば、次のような記述である。なかなかの意気込みを感じる。大いに期待したい。第1回目の紹介となる。

2021年1月4日月曜日

通算373回の引用

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、前回までで通算で373回目となった。

 人の行動や組織文化までを変える方法について学ぶことができた。

 しかし、これを職場の中で、生活の中で、うまく取り入れて、望ましい行動を身につけ、望ましくない行動をなくすことができるようになったか。机上の空論で終わることのないようにしたい。

 それには、やはり随伴性が重要だ。私たちの行動の直後にどのような好子や嫌子が出現したり消失するか。それによって、行動が強化されたり、弱化されたりするか。

 また、それだけでなく、言語指示などによるルールなども強化や弱化の機能に役立つのである。実際、こうしたことを日々の活動に役立てたい。

 そうすることが、職場の雰囲気を変え、自分のより良い行動に役立てることができる。

 こうしたことの実施も随伴性を工夫する必要がある。

  引用文献=田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」2008年、日本経済新聞出版社刊


2021年1月3日日曜日

文化や風土が悪いと言って思考停止

 組織が悪いと決めつける。職員が悪いと言い始める。能力がないと言われた職員は意欲をなくす。組織も沈滞してしまう。それでは、組織文化を変えることは難しい。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で373回目となる。

 【引用はじめ】

 「文化や風土が悪い」といった言葉が出ると、大抵はそこで思考が停止し、議論が行き詰ってしまいます。

 文化や風土というものの正体が見えないため、どう手をつければよいのかわからないのです。

 随伴性が文化・風土をつくり、随伴性を変えれば文化・風土が変わるのです。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.334、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 組織文化を変えるためには、単に「組織が悪い」と言って変わるものではない。

 職員一人ひとりの行動をどのような随伴性にさらすかで変わってくる。

 職員の行動の直後にどのような対応がなされるか。

 また、どのような言語指示などのルールで職員の行動を変えるか。

 随伴性のありようを工夫することが必要である。 

2021年1月2日土曜日

組織文化は随伴性の集合体

 組織文化を変えるには、どんな随伴性が絡み合っているかを明確にする必要がある。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で372回目となる。

 【引用はじめ】

 組織文化とは、実はさまざまな随伴性の集合体です。

 たとえば、「問題を見つけたときに、それを指摘すると、嫌な目で見られたり邪魔にされたりする」とか、「問題を見つけても、知らん顔をしてなかったことにしていれば、罰や叱責を免れることができる」とかの随伴性がある会社では、組織ぐるみで虚偽や偽装が行われます。

 個人の意識や資質に関係なく、そういう文化ができてしまうのです。

 逆に、「問題を見つけたときに、それを指摘すれば、周囲から賞賛され尊敬される」とか、「問題を見つけても、知らん顔をしていたら、やがて厳しい叱責や罰が待っている」とかの随伴性がある会社では、仕事の品質にこだわる文化が定着します。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.333~p.334、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 組織文化を望ましい方向に変えるには、個人の意識や資質をどうこうしようとしても変えるのは難しい。

 随伴性のありようを追及することが大事である。

 組織内の問題をきちっと指摘し、それが認められる随伴性が必要だ。

 そうしたことの繰り返しによって、組織文化は変えられる。 

2021年1月1日金曜日

人は、変われる

 私たちはさまざまな環境の中で生活して、それに影響を受けて行動を身につけている。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で371回目となる。

 【引用はじめ】

 人は、それまでの人生において、さまざまな環境にさらされ、その環境がつくる随伴性の影響を受けて、人それぞれの行動パターンを身につけています。もちろん、それらは個性ですから基本的には肯定されるべきものです。ですが中には、自分として、できることなら変えたいと思っている行動も、あるでしょう。

 そういうときには、まず、どのような随伴性が、その行動を維持強化しているのかを考えてみてください。新たな行動パターンを獲得するための、新しい随伴性、望ましい随伴性というものを、工夫してみてください。きっと、何かが変わるはずです。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.328、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 今ある自らの行動を変えたいならば、何が問題となっているのか追求することである。その行動が持続している随伴性を明らかにするのだ。

 望ましい行動を身につけるための新たな随伴性を導入する。その随伴性がうまくいくかどうか試してみる。うまくいかない場合は、さらに別な随伴性で試してみる。

 そうした努力を繰り返して、よりよい行動を身につけていくのである。