利用者支援では「何を伝えるか」だけでなく、「いつ伝えるか」が大切です。同じ言葉や賞賛でも、タイミングや利用者の状態によって効果は大きく変わります。今回は行動分析学の「確立操作」について考えてみましょう。
【引用はじめ】
好子の効力は常に変化する。同じ好子であっても、与えられたタイミングによって、効力は変わる。もちろん、行動の直後に与えられるほどよい。会話をする際に、相手からの反応が0.3秒遅れるだけで違和感を持ち、発話が滞ることが実験的に確認されている。それほど強化のタイミングは重要である。
その他にも好子の効力を変えるものがある。食べ物はすべての人にとって重要な生得性の好子であるが、満腹状態では、ごちそうを目の前にしても食べるという行為は起こりにくい。愛飲家でも、二日酔いのときはお酒を飲むのはおろか、見るのも嫌な場合がある。一方、普段はあまり水を飲まない人も、スポーツのあとや塩辛いものを食べたあとでは、水は強力な好子になる。
満腹状態、二日酔いでは好子の効力は下がり、スポーツで汗をかいたあと、塩辛いナッツを食べたあとでは好子の効力は上がる。このように、好子の効力を変えるような出来事や生理状態を確立操作という。
(舞田竜宣・杉山尚子「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」日本経済新聞出版刊 2008.12.16, p.259~p.260)
【引用おわり】
利用者の行動を支援するときは、行動直後の声かけと、その人の心身の状態に目を向けることが重要です。確立操作の視点を持つことで、一人ひとりに合った効果的な支援につなげることができます。


