2020年8月31日月曜日

何をしたらどう報われるかがはっきりしていない

 パフォーマンス・マネジメントの鉄則①は、「口約束でなく文書で残す」こと。
 鉄則②は、ターゲットにとって「効果的な好子や嫌子を探す」こと。
 鉄則③は、「パフォーマンスのチェックを頻繁に行う」こと。
 そして、鉄則④は、「ルールをはっきり規定せよ」だ。
 ルールというのは、言葉である。
 言葉といっても相手にとって明確に分かるものでなければならない。
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で249回目となる。

【引用はじめ】


 行動分析学は赤ん坊や動物にも使えるものだ。
 しかし彼らには言葉が通じない。
 そのため彼らは、「ルール」を理解するために膨大な試行錯誤を経ることになる。
 だが人間の大人が相手なら、はじめからルールを明確に理解させておくほうが、はるかに効果的かつ効率的にその行動をマネジメントできる。
 しかし、実際の職場では、何をしたらどう報われるかがはっきりしていないことのほうが圧倒的に多い。

 
 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.141、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】


 「ルールの規定」と言っても、単に言葉で表現したからといってそれでいいという訳でない。
 例えば、「プレゼンを頑張ってする」などの表現だけではどういう状況で、どのぐらいするかが具体的でない。
 もっと焦点化して、行動化できるようにすることが重要だ。
 「相手の要望にそった内容に関するスライドを準備して、予行練習をしてプレゼンにのぞむ」などてある。

2020年8月30日日曜日

鉄則④ルールをはっきり規定せよ

 パフォーマンス・マネジメントの鉄則①は、「口約束でなく文書で残す」こと。
 鉄則②は、ターゲットにとって「効果的な好子や嫌子を探す」こと。
 鉄則③は、「パフォーマンスのチェックを頻繁に行う」こと。
 そして、鉄則④は、「ルールをはっきり規定せよ」だ。
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で248回目となる。

【引用はじめ】


 鉄則④ ルールをはっきり規定せよ

 何をどれだけしたら、どのように報われるのか。
 逆に、しなければどのような報いが待っているのか。
 その随伴性をはっきりさせておかなければならない。
 しかも、ビジネスパーソン相手にパフォーマンス・マネジメントをするときは、この随伴性を言葉で明示するのだ。
 随伴性を言葉で明示したものは「ルール」と呼ぶ。

 
 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.141、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】


 パフォーマンス・マネジメントでは、ターゲット行動を「文書で残す」のである。
 そうなれば、当然言葉によって明確にする必要がある。
 言葉できっちりと分かるように明示することである。
 「ルールによる規定」というのは、「言葉による規定」なのである。

2020年8月29日土曜日

昇給などは毎週行うことができない

 パフォーマンス・マネジメントの鉄則①は、「口約束でなく文書で残す」こと。
 鉄則②は、ターゲットにとって「効果的な好子や嫌子を探す」こと。
 鉄則③は、「パフォーマンスのチェックを頻繁に行う」こと。
 年一回程度の人事評価では十分な行動改革はできない。
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で247回目となる。

【引用はじめ】


 一般的な人事制度だけでは十分な行動改革ができない。
 評価や報酬の見通し(昇給など)は、たいてい年に一回か二回しかなされないが、それでは足りない。
 とはいうものの、昇給や昇格を毎週行うわけにはいかない。
 だからパフォーマンス・マネジメントでは、昇給の代わりに非金銭的報酬を用い、昇格の代わりに社会的報酬(賞賛など)を用いることが必須となる。
 また、正式かつ厳密な人事査定を毎週するのは現実的に負担が大きすぎるから、それとは別の行動評価システムを持たなけばならない。

  (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.140~p.141、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】


 パフォーマンス・マネジメントにとって、頻繁なチェックは大事である。
 いつできるとも分からないままで放置していれば何の変容も期待できない。
 どの程度、ターゲット行動が変わってきているかチェックすることである。
 それも一定の間隔でやらないと。
 最低でも週一回程度は必要だ。
 今の状況がどの程度かを明らかにするのである。

2020年8月28日金曜日

鉄則③ パフォーマンスは最低でも週に一回はチェックせよ

 パフォーマンス・マネジメントの鉄則①は、「口約束でなく文書で残す」であった。
 鉄則②は、ターゲットにとって「効果的な好子や嫌子を探す」ことだ。
 鉄則③は、「パフォーマンスのチェックを頻繁に行う」ことである。
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で246回目となる。

【引用はじめ】


 鉄則③ パフォーマンスは最低でも週に一回はチェックせよ

 頻繁にチェックすること―これはパフォーマンス・マネジメントを現実に成功させるための、最も重要なコツかもしれない。
 行動変化の速度は、随伴性の出現頻度と比例するからだ。
 たとえば毎日チェックして好子や嫌子を与えるのと、年に一回しかチェックしないのでは、行動変化の程度はまったく異なる。
 だから最低でも週に一回はチェックすることを肝に銘じよう。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.140、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】


 パフォーマンスについて、時おり確認しなければうまくいかない。
 今の状況がどの程度になっているかチェックすることで、次の状況への励みにもなる。
 いつまでも放置しておけば、手付かずのままになってしまいかねない。
 途中経過がどうなっているかしっかり把握しておくことが重要である。

2020年8月27日木曜日

鉄則② 効果的な好子や嫌子を探せ

 パフォーマンス・マネジメントの鉄則①は、「口約束でなく文書で残す」であった。
 鉄則②は、ターゲットにとって「効果的な好子や嫌子を探す」ことだ。
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で245回目となる。

【引用はじめ】


 鉄則② 効果的な好子や嫌子を探せ

 パフォーマンス・マネジメントは、自然には得られない新たな随伴性を導入する。
 だから、そこで使われる好子や嫌子は本人にとって真に効果的なものでなければならない。
 さもなければ、もともと存在する自然の随伴性に負けてしまう。
 何が本人にとって効果的な好子か、それは本人の意見も入れながら決めるのが望ましい。
 だが多くの会社では、マネジメント側と本人の視点がずれていて、好子や嫌子が機能していない。
 ある意味では、効果的な好子が見つかりさえすれば、マネジメントは成功したようなものなのである。


 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.140、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】


 ターゲット行動を自然のままにしておいては行動が変化することを期待できない。
 ターゲット行動の直後に、効果的な好子や嫌子を適切に出現するか、消失するかが必要である。
 そのためには、ターゲット行動にとって効果的な好子や嫌子を見つけ出すことが大事となる。
 これさえ見つかれば、うまくいくことになる。

2020年8月26日水曜日

文書で残す

 パフォーマンス・マネジメントの鉄則の1番目は、やるべきことを文書にすることである。
 口約束であいまいのままにしない。
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で244回目となる。

【引用はじめ】


 鉄則① 口約束ではなく文書に残せ

 行動分析学には、「行動契約」という概念がある。
 行動をマネジメントするために、
 (a) 何をいつまでにするか
 (b) 行動をした場合、またはしなかった場合に、その結果として何が起こるか
 を明記したものを作り、マネジメントする人との間で契約として交わすのだ。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.139、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】


 行動としてしなければならないことは何かを、誰にでもわかるように文書にする。
 ターゲット行動が何かを明らかにする。
 さらに、いつまでやるのかをはっきりさせる。
 それがうまくいったらどうするか、うまくいかなかったらどうするかもわかるようにしておくのである。
 それが文書となっていることが大事である。

2020年8月25日火曜日

パーフォーマンス・マネジメントの鉄則

 問題行動の解決には、パフォーマンス・マネジメントという方策を用いる。
 その鉄則にしたがった対応が大事となる。
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で243回目となる。

【引用はじめ】


 パフォーマンス・マネジメントには、以下のとおり鉄則がある。

 鉄則① 口約束ではなく文書に残せ

 鉄則② 効果的な好子や嫌子を探せ

 鉄則③ パフォーマンスは最低でも週一回はチェックせよ

 鉄則④ ルールをはっきり規定せよ

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.139~p.141、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】


 上記の四つの鉄則がしっかり実施できれば、パフォーマンス・マネジメントはうまくいく。
 対策をあいまいにせず、誰にでもわかるようにすることである。
 できているか、できてないかを見える化するのである。

2020年8月24日月曜日

パフォーマンス・マネジメント

 問題行動があれば、まずターゲット行動を特定する。
 そして、それをいかに変えるべきかその手立てを検討する。
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で242回目となる。

【引用はじめ】


 ターゲット行動が特定できたら、それを強化や弱化もしくは消去すればよい。
 こうしたやり方をパフォーマンス・マネジメントと言う。

 パフォーマンス・マネジメント 個人や企業、社会が抱える行動的問題を行動分析学に基づいて解決する方法

 パフォーマンス・マネジメントが必要とされるのは、自然の随伴性では適切な行動を効果的にサポートできないときだ。
 この環境を意図的に変えるのがパフォーマンス・マネジメントだ。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.138~p.139、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】


 問題に関する環境を変えてその問題解決にあたる方策が、「パフォーマンス・マネジメント」である。
 普段のやり方では、簡単に解決できない場合に用いると有効である。
 それにはいくつかの鉄則がある。
 その鉄則については、次回のブログで紹介する。

2020年8月23日日曜日

所産は行動ではない

 企業において、利益を生み出すというのは、いくつもの行動が集まった所産であり、結果である。  
 所産そのものは個々の行動とは別物である。
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で241回目となる。

【引用はじめ】


 ビジネスに限らず、多くの現場では、行動そのものを対象にしない場合も少なくない。
 企業にとっては何より利益が求められるが、利益は行動ではない。
 その企業で働く人々の無数の行動の所産(成果:Product)である。
 企業に対する社会の評価も、その企業の活動によって生み出された所産である。
 企業の発展のためにはよい顧客を持つことが大切だが、営業活動によって得た顧客も所産である。
 しかし、所産に焦点を当てるだけでは問題が解決しないこともある。
 そのときこそ、所産を生み出す個々の行動に目を向けなければならない。
 成約を生み出すよい営業活動(もちろん課題分析によって具体的に考える必要がある)や、事故の減少を生み出すヘルメットの着用やゴーグルの装用など、安全基準に則った行動を考えねばならない。
 

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.137~p.138、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】


 企業利益が生み出されるためには、地道な営業活動が求められる。
 個々の営業マンが一つ一つ成約をとってきて初めて、大きな利益につながる。
 こうした個々の行動の積み重ねによって利益は生み出される。
 利益はたくさんの行動の所産によって生み出される。

2020年8月21日金曜日

行動分析学とは

 行動に関する問題について、その原因を明らかにして、その解決に取り組むのが行動分析学である。
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で240回目となる。

【引用はじめ】


 行動分析学は、行動を研究対象として、その原因を分析し、行動の問題を解決していく科学である。
 したがって、行動に焦点を当て、それを改善することが本筋である。
 たとえば、「会議で発言する」「定時退社する」「部下をジロリと睨む」「皮肉な発言をする」といった具体的な行動を取り上げ、その頻度を増やしたり減らしたりすることを目指している。 
 

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.137、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】

 行動分析学は行動に焦点を当てる科学である。
 行動を突き詰める実践的な科学である。
 私たちの身のまわりにある日常的な行動を取り上げ、なぜそうした行動が増えたり減ったり続いたりするのかを明らかにする。
 私たちにとっては、身近な生活改善にも役立つものといっていい。
 この考え方を身につけることによって、より良い生活が可能になる。