2021年10月31日日曜日

自立型社員を育成する3ステップ

 人材育成といっても簡単にはいかない。そのことを多くのリーダーは分かっている。しかし、どうやればいいのかで悩む。そのため、ついつい「あいつはダメだ」なんて言ってしまいがちだ。個人攻撃の罠にはまってしまう。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第121回目である。

【引用はじめ】

 「自律型社員」の育成において、「意識を高くして自律型社員になれ!」といくら声高に言っても、そのとおりになることはできません。しかし、いくつかのステップにデザインして、それを実践していくことでちゃんと自律型社員を育成することができるのです。

 自律型社員になってもらうには、3ステップで段階を追って育成するデザインのもとに行います。3ステップとは、次の3つです。

  1. 「きっかけ」(A)と「フィードバック」(C)で「ターゲット行動」(B)を「連続強化」する
  2. 徐々に「きっかけ」(A)を減らし、自分自身でできるようにする
  3. 「フィードバック」(C)を減らしていき、「連続強化」から「部分強化」に変える

 最初からいきなり「自立型社員」を求めても、すぐになれるものではありません。この3ステップデザインで、手順を追ってしっかりと習熟具合をみながら育成していくことが、最終的には近道となり、現実的な人材育成へとつながっていきます。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.136

【引用終わり】

 社員の消極性に対して、「もっと積極的になれ」「もっと頑張れ」とアドバイスしているつもりだが、こうしたことはほとんど効果がない。何をすればいいか具体性に欠けているためだ。

 具体的な行動に焦点をあて、その行動が自発できるよう、そして繰り返すよう段階的に働きかけるのである。それが上記の引用で提示したABC分析による3ステップ方式だ。 

2021年10月30日土曜日

やる気や本気出せというだけでは行動は変わらない

 「自律型社員」の育成にあたって、一朝一夕に目標どおりになるなんてことは考えられない。「がんばれ」と言ってみたところで、期待どおりになるわけでもない。

 そのためには、具体的な目標に対して、計画的な取り組みに努めることである。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第120回目である。

【引用はじめ】

 いままで「自律型社員」とはいえなかった人を、何か魔法のように一つのやり方で簡単に変えられるものではありません。例えば、次のようなことを考えてみてください。

  • 自転車に乗れない人を乗れるようにするためには、どのように教えていったらよいでしょうか?
  • 箸がちゃんと持てない人を持てるようにするためには、どのように教えていったら持てる人になるでしょうか?

 「やる気を出して自転車に乗れ!」とか「本気で箸を持て!」といっても、身につけることはできません。

 やって見せて、言って聞かせて、させてみるのです。

 できないことができるようになるためには、その教え方、実践のさせ方、フィードバックのしかたなど、段階を追った「デザイン」を考えておき、その手順にそった相手の成長度合いをみながら進めていく必要があるのです。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.135

【引用終わり】

 いままでやれなかったことをやれるようにするには、それ相応の計画が必要である。難しいことであればあるほど、実践的な計画を緻密につくって、時間をかけて実行することだ。

 そうした継続的な取り組みに耐えられるようにしなければ、目標が達成できない。目標に向けた道筋がしっかり把握できることが重要である。 

2021年10月29日金曜日

人材育成は一朝一夕にはいかない

 「自律型社員」の育成が簡単にできるわけではない。「塵も積もれば山となる」といった中長期の計画的な積み重ねによってようやく達成されるものである。ちょっと試してうまくいかないといってあきらめては元の子もない。明確なターゲット行動を決定して、徐々にその行動に近づける方策を工夫するのである。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第119回目である。

【引用はじめ】

 「自律型社員」をターゲットとする行動の人材育成は、中長期的な取り組みで、長い期間をかけてこつこつと取り組んだ結果、成し遂げられるものです。

 結果がすぐに目に見えるときもあれば、なかなか手ごたえがない場合も、うまくいかないこともあります。

 簡単にできるというような謳い文句の人材育成ノウハウに踊らされずに、原理原則にもとづいた再現性のある取り組みを、地道ながらも実施していき、定着させることです。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.134

【引用終わり】

 「自律型社員」とはどんな具体的な行動をする人か。

 それためには、どんな行動があったら強化すればよいか。その強化はどんなものであればよいか。どんなタイミングで強化すればよいか。強化すべき行動はどのように把握すればよいか。そうした具体的な行動を引き出しやすい先行条件とはどんなものがあるか。

 こうした内容をじっくりと分析し計画するのである。 

2021年10月28日木曜日

「自ら行動する」を具体的な行動に変換する

 「自律型社員」は、「自ら考える」「自ら判断する」「自ら行動する」ことが具体的な内容である。

 これらは「デッドマンテスト」ではクリアしても、「ビデオカメラテスト」ではクリアできない。今度は、「自ら行動する」ことを、「ビデオカメラテスト」においてクリアできるようにすることが必要である。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第118回目である。

【引用はじめ】

 「自律型社員」をめざして、今、その場でできないことは、明日も明後日も、1年後もできません。ビデオカメラテストで、具体性をチェックすることは、一歩踏み出す行動にしておくという意味で、非常に重要なのです。「自律型社員」の定義の三つ目である「自ら行動する」を具体的な行動にしてみます。

  • 指示が出る前に、仕事を始める(仕事はその人の実業務)
  • 自分の仕事が終わった後、新たな仕事を始める
  • 立候補を集うようなときには、手をあげる
  • 会議では、必ず意見をいう
  • 難易度の高い仕事も、できないと言わずにやり始める

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.132~p.133

【引用終わり】

 「自ら行動する」ってどんなことが具体的な行動と言えるのか。

 「指示がなくてもすぐ仕事を始める」、「難しい仕事も率先してやる」、「積極的に意見を述べる」などがあげられる。こうしたことができる人が「自律型社員」とよべる。 

2021年10月27日水曜日

「自ら判断する」を具体的な行動に変換

 「自律型社員」は、「自ら考える」「自ら判断する」「自ら行動する」ことが具体的な内容である。

 これらは「デッドマンテスト」ではクリアしても、「ビデオカメラテスト」ではクリアできない。そこで、「ビデオカメラテスト」においてクリアできるようにすることが必要である。

 ここでは、「自ら判断する」ことを具体的にしてみる。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第117回目である。

【引用はじめ】

 「自律型社員」をめざして、今、その場でできないことは、明日も明後日も、1年後もできません。ビデオカメラテストで、具体性をチェックすることは、一歩踏み出す行動にしておくという意味で、非常に重要なのです。まず、「自律型社員」の定義の二つ目である「自ら判断する」を具体的な行動にしてみましょう。

  • 次の仕事は何をやるべきかを決めて、まわりに伝える
  • 選択肢が出たときに、理念にもとづいて正しいほうを選ぶ
  • お客様から質問を受けたときに、的確に回答する
  • チームとしてのメリットを優先して仕事の取捨を行う
  • いまやるべき優先事項がわかり、それを書き出す

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.132

【引用終わり】

 「自ら判断する」とは具体的にどんな行動か。ビデオカメラテストでチェックできるようにするのだ。

 「まわりに伝える」「正しいほうを選ぶ」「的確に回答する」「仕事を取捨する」「優先事項を書き出す」などである。要するに、誰にでも目に見える形にするのである。 

2021年10月26日火曜日

「自ら考える」を具体的な行動に変換

 「自律型社員」は、「自ら考える」ことが大事である。しかし、「自ら考える」とは、「デッドマンテスト」ではクリアしても、「ビデオカメラテスト」ではクリアできない。それじゃあ、「ビデオカメラテスト」にクリアするにはどうすればよいか。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第116回目である。

【引用はじめ】

 「自律型社員」をめざして、今、その場でできないことは、明日も明後日も、1年後もできません。ビデオカメラテストで、具体性をチェックすることは、一歩踏み出す行動にしておくという意味で、非常に重要なのです。まず、「自律型社員」の定義の一つ目である「自ら考える」を具体的な行動にしてみましょう。

  • もっとよい仕事のやり方を、自ら提案する
  • どうしたらお客様にもっと喜んでもらえるか、案を出す
  • なぜ、仕事がうまくできないか、理由を書き出す
  • 理念を実現するには、何をしたらいいかを発表できる
  • 自分が成長するためには、どんな知識と技術が必要かを伝えられる

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.132

【引用終わり】

 「自ら考える」を「ビデオカメラテスト」でクリアするには、どのような具体的な行動にすればよいか。

 仕事のやり方などを「提案する」「書く」「発表する」「伝える」といった行動化がなされることである。

 こうしたことがきっちりできていれば、「自ら考える」ことがなされていると分かる。 

2021年10月25日月曜日

ビデオカメラテストでチェックすることの意義

 「自律型社員」を育成する上で、やるべきことを「ビデオカメラテスト」でチェックする必要がある。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第115回目である。

【引用はじめ】

 「自律型社員」をめざして、「積極的になる」「徹底する」「理解する」「身につける」などのような表現によって、いまからそれを一歩進んでやってみてください、といっても、何も行動レベルではやれない。

 今、その場でできないことは、明日も明後日も、1年後もできません。ビデオカメラテストで、具体性をチェックすることは、一歩踏み出す行動にしておくという意味で、非常に重要なのです。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.132

【引用終わり】

 「ビデオカメラテスト」でやるべきことをチェックすることは、具体的な行動が見える。何をすればよいかがわかる。やっているかやってないか判断できるのである。あいまいで何をしたらいいか分からないことがなくなる。そうした明確さが大事である。

 

2021年10月24日日曜日

自律型社員の定義を具体化する

 「自律型社員」の育成にあたっては、どういう行動特性が必要か、具体的に表現することが求められる。どの程度具体的かどうかをチェックするには、「デッドマンテスト」と「ビデオカメラテスト」がある。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第114回目である。

【引用はじめ】

 「自律型社員」について、抽象的な表現はできるだけ具体的な行動に変換することです。そのために行う二つのチェックのしかたがあります。それが、「デッドマンテスト」と「ビデオカメラテスト」です。

 受け身である表現など、死人でもできることは、行動とはいえない(デッドマンテスト)。ビデオカメラで撮影した映像を見た人が、何をしているかがわかるレベルまでの具体的な行動にする「ビデオカメラテスト」です。このチェックを「自律型社員」の定義だと次のようになります。

  1.  「自ら考える」  デッドマンテスト ◯  ビデオカメラテスト ✕
  2.  「自ら判断する」 デッドマンテスト ◯  ビデオカメラテスト ✕
  3.  「自ら行動する」 デッドマンテスト ◯  ビデオカメラテスト ✕

 このままでは、デッドマンテストをクリアするので、「行動」ではあるけれども、ビデオカメラテストをクリアできるほど、具体的なレベルにはなっていません。

 具体的行動まで落とし込んでいないと、結局、何もしないままでいるということが往々にしておきます。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.131~p.132

【引用終わり】

 「自律型社員」の定義から割り出す「自ら考え、判断し、行動する」は、死人にはできないことだから「デッドマンテスト」はクリアする。

 しかし、ビデオで見たときに何をしているかわかるかというとわからない。「ビデオカメラテスト」をクリアすることはできない。まだまだ具体的にはなっていない。もっと具体的なものにする必要がある。 

2021年10月23日土曜日

自律型社員の行動特性

 「自律型社員」の行動特性はどういうものか。明確にしておく必要がある。そうでなければ、その行動を身につけ、習慣化することができないからだ。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第113回目である。

【引用はじめ】

 「自律型社員」となるためには、その行動特性をしっかり定義して、その行動を身につけて、習慣化することをやっていく必要があります。一般的には次のように定義されます。

 【自律型社員の定義】 自ら考え、判断し、行動できる社員

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.130

【引用終わり】

 「自律型社員」てっどんな人と聞かれたら、明確に答えられなければ、そうした社員を育てることは難しい。「自律型社員」の行動特性をしっかり把握しておくことである。次のようなことを身につけている人のことである。

  1.  自ら考えることができる人。
  2.  自ら判断できる人。
  3.  自ら行動できる人。 

2021年10月22日金曜日

人材育成はコツコツと時間かけて実行するしかない

 「自律型社員」にするための人材育成には、時間がかかる。重要だが、簡単にできるものでない。計画的に時間をかけてやるしかない。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第112回目である。

【引用はじめ】

 人材育成は、いま何かに取り組んだから、すぐに目に見えて変わったどうかが判断できる、というものではありません(だから取り組めない)。

 人材育成というのは、行動した直後のよい結果(好子)がすぐにではなく、かなり遅れて出現するために、行動に影響を与えられないという構造になっているのです。

 すぐに結果が出ない、だからこそ、行動が変わったかどうかの測定は大事なのです。改善の見える化をして、手ごたえ(これも好子)を意図的に示せるようにしていきましょう。

 「人材育成」というものは、パッと魔法のようにできるものではなく、コツコツと先を見すえて、時間をかけて実行していかないといけないものです。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.128~p.130

【引用終わり】

 どこの企業でも人材育成の重要性は強調される。しかし、簡単にはできないのでどうしても後回しにしがちだ。すぐすぐいい結果が出るものでない。

 そうだからと言って人材育成をあきらめて、ただ本人任せでいいわけでない。企業内における人材育成教育は行われてしかるべきである。

 時間がかかることを覚悟で、計画的に社員一人ひとりが向上できる育成内容に取り組む必要がある。こうした取り組みが組織の改革にもつながる。 

2021年10月21日木曜日

自律型社員の育成は中長期的な取り組み

 「自律型社員」が欲しいと多くの企業で求めている。しかし、それがなかなか難しいのが現状だ。なぜか。簡単には見つからないし、企業内で育成するのも時間を要するからである。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第111回目である。

【引用はじめ】

 なぜ自律型社員の育成が難しいか。どのような会社でも「必要だ」「ぜひほしい」といわれている自律型社員ですが、それができていない。それには難しい理由があるからです。

 人材育成という取り組みは、重要度は高いが、「緊急度が低い」からです。人材育成は、いま何かに取り組んだから、すぐに目に見えて変わったどうかが判断できる、というものではありません(だから取り組めない)。

 人材育成というのは、行動した直後のよい結果(好子)がすぐにはではなく、かなり遅れて出現するために、行動に影響を与えられないという構造になっているのです。

 人材育成は、重要だけれども、緊急ではないことだとすると、中長期的に着実に進めていくしかありません。こうした難しい状況をどのようにすれば変えられるかが大事になります。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.127~p.128

【引用終わり】

 自律型社員がいれば企業経営に大いに貢献することは確実。企業が求める人材といっていい。しかし、企業が求める通りの人材はすぐすぐ見つかるとは限らない。

 また、企業内での育成となると、時間がかかる。こうした人材に育成するには、「塵も積もれば山となる」という具合にコストも時間もかかって簡単には実現できないのである。

2021年10月20日水曜日

自律型社員とは?

 「自律型社員」といったところで、どういう社員のことを指すのか。それが分かりづらい。明確に定義しておくことが必要である。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第110回目である。

【引用はじめ】

 「自律型社員」という言い方は、レッテルを貼っている形です。具体的な行動特性を定義しないと、いつまで経っても育成には結びつきません。

 具体的な行動をいくつか定義し、その行動を自分から繰り返し行い、習慣化できるようになれば、その人物は「自律型社員」といわれるようになるでしょう。

 自律型社員を育成する方法とは、次の手順でそれを実現することにあります。

 「自律型社員といえる具体的な行動をターゲットにする」➡「ABC分析→改善を実施する」➡「自らターゲット行動を繰り返し、習慣となる」

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.126

【引用終わり】

 「自律型社員」は、具体的にはこういう行動をする社員のことですと、社員全員が理解しておく必要がある。こうした行動をできる人が「自律型社員」だというのである。

 ただ単に「積極的」「頑張り屋」「ていねい」な人とするだけでは、不十分。さらに具体的な像を示すことだ。

2021年10月19日火曜日

ベースライン測定

 「口頭で上司に報告する」ことをターゲット行動とした場合、上司が部下から適切な報告を受けたら、「ありがとう」の感謝の言葉を返す。

 このような改善策の実施によって、改善前より報告の数が増えたとなれば、その改善策は妥当だったことになる。改善前と改善後の状況ををカウントして、改善策の良し悪しを判断するのである。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第109回目である。

【引用はじめ】

 ABC分析では、「改善前」「改善後」の測定を大切にします。

 まずは、改善策を実施する前の「報告の数」をカウントしてください。実施前数か月程度の間で、どれだけ部下からの報告があったかを数えていきます。これを「ベースライン測定」といいます。

 そして、改善策を実施してから数か月、同じように報告があった数をカウントしていきましょう。ベースラインに比べて、改善後の報告数がどれだけ増えたかが、目に見える形でわかるようになります。

 ここで、報告数が期待よりも増えていないようだったら、別の取り組み策を実施するなどの判断材料として使うこともできます。

 ある取り組みで効果がたくさん出ていることがわかるようであれば、それは取り組みの成果として、目に見える成功実績となります。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.121~p.122

【引用終わり】

 ターゲット行動の実現のために、改善策を試みる。その改善策がうまくいっているかどうかの判断は、改善前と比べて改善後のターゲット行動の量がどうなっているかでみる。改善前の行動はどれぐらいだったかをカウントしておくのである。

 改善前の行動量を測定することを「ベースライン測定」というのだ。 

2021年10月18日月曜日

ビフォーアフターを測定する

  「口頭で上司に報告する」というターゲット行動が、改善策を実施したら増えるようになったかどうか。改善前よりどれぐらい増えたか。カウントしてみるのである。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第108回目である。

【引用はじめ】

 「報告があったら、ありがとうと言うことにした、と言うルールのみを実行したら、報告数が増えた。1か月後、ありがとうと言うことが、好子として働き、報告という行動が強化したといえる」ことがわかる。これが、報告が増えて、目的につながり、組織の成果となります。

 改善前、改善後の測定は大切です。改善策を実施する前の「報告の数」をカウントするのです。実施前数か月の間で、どれだけ部下からの報告があったかを数えていきます。これを「ベースライン測定」といいます。

 そして、改善策を実施してから数か月、同じように報告があった数をカウントしていきましょう。ベースラインに比べて、改善策の報告数がどれだけ増えたかが、目に見える形でわかるようになります。

 ここで、報告数が期待よりも増えていないようだったら、別の取り組み策を実施するなどの判断材料として使うこともできます。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.121~p.122

【引用終わり】

 改善する前の「部下の報告」の程度はどれぐらいだったのか。カウントしておく。

 そして、ターゲットとなる「B:行動」が「A:先行条件」「C:結果」などの改善策によって、どのように変化するか明らかにする。

 改善前より改善後が確実に変化していれば、改善策は妥当だということができる。改善策の効果が明らかになるように改善前に「ベースライン測定」しておく必要がある。

2021年10月17日日曜日

やってみないとわからない

  「口頭で上司に報告する」などのターゲット行動を実現するために、その前後の「A:先行条件」や「C:結果」についてさまざまアイデアを出し合う。そのアイデアを実行してみたらどうなるか。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第107回目である。

【引用はじめ】

 複数人で改善案を出し合うといろんなアイデアが出てきます。そこから絞って、取り組み施策を決定していきましょう。

 取り組み施策は、一つだけ絞る必要はなく、コストがかからず、すぐにできるようなものであれば、複数の施策を同時にスタートさせても大丈夫です。

 もう一つ大事なことは、ここで決める取り組みは、「やってみないとわからない」ということです。これを頭に入れておかないと、うまくいかない理由を「うちには向いていない」とか「意識が低いから続かない」というように、個人に攻撃が向いてしまうことになります。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.119~p.120

【引用終わり】

 ターゲット行動がうまくいくように、アイデアの中から決定した取り組み施策をやってみる。うまくいったら続ければいい。うまくいかない場合は、次のアイデアを試してみる。

 こうした試行錯誤によって、より良いアイデアを決定することになる。 

2021年10月16日土曜日

「C:結果」での取り組み事項の検討

  ターゲット行動の実現のためには、その前後の関係に着目して、さまざま試みるのがABC分析だ。ここでは、「C:結果」に関して、いろいろアイデアを出してみようとしている。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第106回目である。

【引用はじめ】

 「改善実施シート」の「C:結果」アイデア欄には、4つの視点から検討した評価を「◎・◯・△・✕」の4段階で記入していきます。

 「C:結果」での取り組み事項の検討

  1.  「C:結果」アイデア➡上司に「報告ありがとう!」と言われる

  • 楽しいかどうか ◎
  • 負担は少ないか ◯
  • 継続できるか  ◯
  • コストは少ないか ◯

  2. 「C:結果」アイデア➡上司がうなずいてくれる

  • 楽しいかどうか ◎
  • 負担は少ないか ◯
  • 継続できるか  ◯
  • コストは少ないか ◯

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.119

【引用終わり】

 「口頭で上司に報告する」というターゲット行動を増やすために、「C:結果」に関してさまざま試みようとする。そのうち、どういうやり方が有効か考えている。

 実際やってみて、「楽しい」「負担少ない」「継続できる」「コスト少ない」のがいい。そうしたやりやすいやり方を検討するのである。

2021年10月15日金曜日

取り組む事項の優先度を決める

 ターゲット行動を実現するには、その前後の関係に着目するのが、ABC分析である。「A:先行条件」についてどうするか、アイデア出して書き出してみるのである。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第105回目である。

【引用はじめ】

 「改善実施シート」の「A:先行条件」アイデア欄には、4つの視点から検討した評価を「◎・◯・△・✕」の4段階で記入していきます。

 「A:先行条件」での取り組み事項の検討

  1.  「先行条件」アイデア➡上司は必ず「報告ありがとう」というルール

  • 楽しいかどうか ◎
  • 負担は少ないか ◎
  • 継続できるか  ◯
  • コストは少ないか ◎

  2. 「先行条件」アイデア➡帰りに10分、報告の時間がある

  • 楽しいかどうか △
  • 負担は少ないか ◯
  • 継続できるか  ◯
  • コストは少ないか △

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.118

【引用終わり】

 ABC分析でも、「A:先行条件」をどうすべきかをさまざまアイデアを出して、「楽しいか」「負担少ないか」「継続できるか」「コストは少ないか」の観点について、優先度(◎・◯・△・✕)をつけてみる。

 それによって、実行できるかどうか判断しやすくなる。 

2021年10月14日木曜日

アイデアから取り組み事項を決めていく

 ターゲット行動を改善するために、ABC分析するわけだが、「A:先行条件」と「C:結果」の取り組み事項に関する内容を書き出してみるといい。それを実際取り組むとなると、どんな問題が生ずるか予想してみる。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第104回目である。

【引用はじめ】

 行動の前後を変える取り組みは、最初はアイデアベースで、できる・できないなどは気にせず、どんどん出していきましょう。従業員の研修の一環や、改善プロジェクトなどでのワークで、参加型で実施するのです。

 そして、たくさん出てきたアイデアを、実行レベルで検討していくための「改善実施シート」などに書き出すのです。その取り組み事項について次の4つの目線から検討し、取り組み事項の優先順位を決めていきます。

  1. 楽しめるものかどうか
  2. 実行する側、される側に負担がかかるものか
  3. 継続して取り組めるようなものか
  4. コスト(お金・時間・労力など)が必要になるものか

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.116

【引用終わり】

 ターゲット行動の改善で、「A:先行条件」と「C:結果」をどのように取り組むか検討する。そして、これらに関してさらに4つの観点から問題を深堀するといい。

 「楽しめるか」「負担かかるか」「継続できるか」「コストかかるか」の4つだ。それを明らかにすればなおやり易いものを選べることができるだろう。

2021年10月13日水曜日

職場における社内研修にも最適

ABC分析によって、ターゲット行動を増やす。社内研修などで、みんなでそれをやってみると盛り上がる。どうすれば、「報告する」行動を増やすことができるかなどをやってみるのである。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第103回目である。

【引用はじめ】

 「報告」が増えるためにはどんな結果が出ればいいのか。報告はどんな環境だとやりやすいのか、を職場の皆で考えてみてはいかがでしょうか。

 「A:先行条件」と「C:結果」のアイデアを、職場の皆からどんどん出してもらうワークを実施します。従業員一人ひとりに「ふせん」と「サインペン」を渡して、「いまから30分! できるだけユニークで楽しめるアイデアをどんどん出してください! 最低一人10個以上!」

 と、いうように実施して、皆から記入済みの「ふせん」を集めて、ホワイトボードや壁に貼り付け、楽しみながら行動を強化する取り組みを話し合って決めていくのです。

 自分たちで決めた取り組みなので、遂行度も高くなります。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.115

【引用終わり】

 職場の沈滞ムードを変えたい。それには、職員の特性や性格などを問題にしても「個人攻撃の罠」に陥るだけで、ますます職場の雰囲気を悪くするばかりだ。

 まずは、ABC分析によって職場の環境を変えることが大切だ。

 ターゲット行動の直後の「C:結果」がどうなっていればよいか。さらに、「A:先行条件」はどうすればよいかに着目するのだ。

 そして、実際やってみてうまくいけばそれを続ける。うまくいかないならば、別なやり方を試みるのである。 

2021年10月12日火曜日

部下の報告しやすいしくみづくり

 部下が報告をしやすい事前の状況があれば、報告する苦手な部下でも報告することを繰り返すようになる。

 上司が部下の報告を笑顔で受け入れたり、報告に対して適切なアドバイスをしてくれなんてことがわかっていれば、上司を避けがちな部下も報告するようになるのだ。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第102回目である。

【引用はじめ】

 行動を引き起こしやすい事前の状況をつくっておき、報告したらよい結果が出る。そして、どんどん報告するしくみが会社に出来上がる。最初は報告が苦手で、報告できない人も、この職場ならできるように育成されていく―となって、これがその会社の「職場風土」となるわけです。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.115

【引用終わり】

 部下が報告する事前の状況はどうなっているかで、部下の行動も変わってくる。

 ターゲット行動「B:行動」に関して、「A:先行条件」がどうなっているか。この場合の行動は、「報告」である。その「A:先行条件」を工夫することで、「報告する行動」が変わってくるのてある。その工夫が大事てある。

2021年10月11日月曜日

報告する前の先行条件を考える

 部下の報告をしやすくするには、報告する前の先行条件も考慮しておくとよい。報告すると得になると思える条件を工夫するのである。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第101回目である。

【引用はじめ】

 報告したあとに、よいことがすぐに起きると、行動は繰り返されるようになります(好子出現による強化)。これが、結果を変えていくことで、報告するという行動を増やすABAマネジメントです。

今度は、「A:先行条件」を考えてみましょう。【「Aさんが上司に報告する」前の先行条件のアイデア】は次のとおりです。

  • 上司は必ず「報告ありがとう!」と言うルール
  • 帰りに10分、報告の時間があるルール
  • 報告の時間に「今日、何があった!」と聞かれる
  • 時間枠があるので、報告しても時間は増えないと知っている
  • 10ポイントもらえるルールがある

 このように、「A:先行条件」で、「ありがとうと言うルールがある」「報告ポイントがもらえる」「評価される」などの事前情報があると、行動しやすくなります。また、はじめから報告の時間枠をつくっているという環境になっているので、報告しないほうが時間を取られずに得、ということもなくなってきました。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.112~p.114

【引用終わり】

 部下のAさんが上司に報告すれば、上司から感謝されることがわかっていれば、報告しやすくなる。また、報告すれば、上司は適切なアドバイスしてくれることがわかっている。

 こうした肯定的な結果が期待できるとなれば、報告も積極的になる。前向きなことが事前にわかっていれば、行動もやりやすい。

2021年10月10日日曜日

行動した直後の結果を変える

 「部下が報告する」とその直後にどのようなことが起こるか。そのことによって、「報告する」という行動を繰り返すようにするにはどうすれば良いかを考える。部下にとって嬉しいと思うことが起きればいい。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第100回目である。

【引用はじめ】

ABC分析によって、「報告する」という行動をしたら、どんなことが起きれば嬉しいか、その観点からどんどんアイデアを考えていきましょう。

たとえば、「Aさんが上司に報告する」あとの結果のアイデア】は次のとおりです。

  • 上司に「報告をありがとう!」と言われる
  • 上司がうなずいてくれる
  • アドバイスがもらえる
  • 説明の時間は増えない
  • 評価が上がる!
  • 報告ポイントが10Pもらえる

 報告したあとに、このようなよいことがすぐに起きると、行動は繰り返されるようになります(好子出現による強化)。これが、結果を変えていくことで、報告するという行動を増やすABAマネジメントです。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.112

【引用終わり】

 「Aさんが上司に報告」したら、どのようになったか。Aさんにとって嬉しいことが起きれば、報告する行動が繰り返されるようにするためにはどうすればいいか。

 そうしたアイデアを書き出すようにする。部下の報告を増やす手立てを考えだすのである。

 上司の受け入れが肯定的であればいい。また、報告することによって、評価が上がれば当然こうした行動は増えるし、繰り返すようになるだろう。 

2021年10月9日土曜日

「行動」を強化するアイデアが必要

 部下が報告しないという状況があったら、どのようにすればよいか。まずは、ABC分析で行動の「結果」と「先行条件」がどうなっているか明らかにする。そこで、ABC分析の「C:結果」が嫌子だったら、部下の「報告する」という「B:行動」は強化されない。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第99回目である。

【引用はじめ】

ABC分析したところ、「報告する」あとには、「『自分でなんとかしろといわれ、仕事が増える」などの嫌子が出現していました。したがって、変えるべきは、「報告する」と嫌子が出現するのではなく、好子がどんどん出現するようなしくみをつくっていけばよいのです。

「報告する」という行動をしたら、どんなことが起きれば嬉しいか、その観点からどんどんアイデアを考えていきましょう。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.112

【引用終わり】

 「報告する」という「行動」を強化するには、「C:結果」が好子を出現するようにしなければならない。

 部下からの報告があったら、上司は感謝するなどのていねいな対応をすることである。こうした「報告する」ことを強化する対応を心がけるのだ。 

2021年10月8日金曜日

行動の前後環境を変える

 部下が報告しないのは、部下が悪いからだと決めつけてしまう。しかし、部下をせめても行動が変わるわけでないことを知るべきである。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第98回目である。

【引用はじめ】

ABC分析をすることで、報告という行動をしないのは、部下の意識が低いということよりも、報告という行動が起きにくい前後の環境に原因があることがわかります。

原因が、行動の前後の環境あることがわかれば、そこを変えていけばよいのです。

従来の、個人を何とかしようというマネジメントをいくらやっても、この前後の環境が変わっていなければ、またすぐに部下が報告しない風土に戻ってしまうことでしょう。

原因が、個人から環境に変わったことで、変えていく対象も変わったのです。

ABC分析によれば、「B:行動」は本人しかできないことであり、最終的には本人に委ねることとしかできません。

しかし、「A:先行条件」と「C:結果」は、まわりがいくらでも工夫し、アイデアを出し、変えていくことができるのです。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.111

【引用終わり】

 上司が、部下に対して「個人攻撃の罠」にはまって、報告義務を果たさないのはお前が悪いと言ってもあまり効果はない。

 それよりも、部下の報告行動に対して、その結果上司はどのような対応をしているかが重要なのだ。さらに上司の先行条件として、部下が報告しやすい雰囲気であることも大切だ。

 部下の行動を促すためには、上司の行動前後の環境に配慮する必要がある。 

2021年10月7日木曜日

行動の前後をABC分析する

 ターゲットとすべき行動を決定したら、次にABC分析によって、行動の前後にどのような状況にあったことを分析する。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第97回目である。

【引用はじめ】

ターゲット行動決定(優先して取り組む) 部下が、帰りに必ず口頭で上司に報告する

ターゲット行動における「口頭で報告する」ときの現状分析を行います。たとえば、現状で部下のAさんが上司に「口頭で報告する」という行動をしたときは、この組織で実際に起きている「C:結果」は、次のとおりです。

  • 上司に「なにやってんだ!」と怒られる
  • 「自分でなんとかしろ」といわれ、仕事が増える
  • 報告すると説明に時間を取られる
  • 報告しても、特に評価は変わらない

 また、「A:先行条件」は、行動前には次の状態であることがわかりました。

  • 以前に報告したとき怒られた
  • 仕事が増えることが想定される
  • 自分自身も忙しい
  • 報告は評価されないルール

 以上のように、「行動を弱化や消去する(繰り返さなくなる)」ような結果ばかりが出現していたことがわかります。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.107~p.111

【引用終わり】

 行動した結果はどうなっているか。しっかり現状分析が必要だ。また、行動する前の先行条件はどうなっていたか明らかにするのである。そのことによって、行動の前後関係がわかり、行動は繰り返すのか、それとも繰り返さなくなるかを明確にすることができる。 

2021年10月6日水曜日

ターゲット行動の決定には目的・観察・指導ができるかでチェック

 いかにしたら、ターゲットとすべき行動を決定することができるか。それを吟味するためのチェック項目がある。そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第96回目である。

【引用はじめ】

 ターゲット行動決めるには、「目的につながるかどうか」「観察できるものかどうか」「指導できるものかどうか」という目線でチェックします。たとえば、「部下の報連相を徹底する」には、次のようなことができることが目的です。

  • クレームやトラブルがあったときにすぐに対応できる
  • あとから間違いを正すより、修正がすぐにできるようになる
  • 部下の仕事での課題や育成の指導ができるようになる

 これを実現する具体的な行動を考えるわけです。具体的行動のうち、「部下が、毎日自分のノートに報告を書いておく」は、目的につながるか、観察できるか、指導できるか、というと、上司がすぐに確認するわけではないので、あまり効果的ではなさそうです。

「部下が、毎週金曜に上司にメールで報告する」は、上司は観察、指導はできそうですが、目的の「クレームやトラブルがあったときにすぐに対応できる」「あとから間違いを正すより、修正がすぐにできるようになる」ということを考えると、毎週金曜日では遅くなってしまう可能性があります。

「部下が、帰りに必ず口頭で上司に報告する」は、本当はその瞬間にすぐ報告するほうがいいのですが、でも週単位で報告するよりはかなりスピードは早くくなります。観察も指導もできそうです。以上のようなチェックから、ターゲット行動は次のようなります。

ターゲット行動決定(優先して取り組む) 部下が、帰りに必ず口頭で上司に報告する

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.105~p.106

【引用終わり】

 「部下の報連相を徹底する」ためには、ターゲットとなる行動として、「部下が、帰りに必ず口頭で上司に報告する」こととした。こうすることで、部下の報連相が習慣化するようにした。ターゲット行動を決定する上で、目的・観察・指導といった観点をクリアするものになっている。適切な行動ができるようにするには、その行動がデッドマンテストやビデオカメラテストもクリアする必要もあった。

 

2021年10月5日火曜日

ターゲット行動を決定する

 いかにしたら、ターゲットとすべき行動を決定することができるか。それを吟味するためのチェック項目がある。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第95回目である。

【引用はじめ】

 具体的な行動のうち、次のチェックから、ターゲットとする行動を決めます。

  • 目的につながるかどうか
  • 観察できるものかどうか
  • 指導できるものかどうか

 「部下の報連相を徹底する」ことに関して、具体的な行動のうち、「デッドマンテスト」「ビデオカメラテスト」の両方をクリアした行動は、次のとおりです。

  • 部下が、毎日自分のノートに報告を書いておく➡デッドマンテスト〇 ビデオカメラテスト〇
  • 部下が、毎週金曜に上司にメールで報告する➡デッドマンテスト〇 ビデオカメラテスト〇
  • 部下が、帰りに必ず口頭で上司にメールで報告する➡デッドマンテスト〇 ビデオカメラテスト〇

 ここから、「目的につながるかどうか」「観察できるものかどうか」「指導できるものかどうか」という目線でチェックし、ターゲット行動を考えていきます。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.105

【引用終わり】

 ターゲットとすべき行動を決めるには、「目的」「観察」「指導」といった観点からチェックする必要がある。その前提として、デッドマンテストとビデオカメラテストの両方をクリアできていなければならない。

 こうした厳密な手法を用いたターゲットとすべき行動は、具体的といっていい。ターゲットとして取り組みやすいものとなり得る。