手術中に手袋が破れた。新しい手袋に換える行動が、確実に行うようにするにはどうするか。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第179回目の引用である。
【引用はじめ】
看護師さんにとって、エイズ感染の危険を知りながらどうして手袋の着用を怠るのか。「めんどうくさがりだから」というのは個人攻撃の罠にはまった発言です。手術室でオペ中に手袋が破れたらどうなるか。新しい手袋をつける行動の行動随伴性はどうなっているか。
エイズに感染する危険はとても恐ろしい嫌子です。だから、新しい手袋に換えることでその嫌子の出現を防ぐことができれば、強化の原理が働きます。ところが、エイズに感染する確率が非常に低いので、手袋を換えないままということがおきます。確率の低い結果(C)は行動に影響しにくいのです。おそらく手術中の患者さんがエイズであることがあらかじめ分かっていれば、この行動随伴性は強力な強化の随伴性として機能するはずです。ところがそうでない場合にはうまく働きません。逆に、手袋を取り替えることで仕事を中断しなくてはならないという、確実な弱化の行動随伴性があるために、この行動は起こりにくくなっているのです。(島宗理著「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」 1999年 開成出版刊、p.66, p.112)
【引用おわり】
手術中に手袋が破れたら、中断してでも手袋を換えるようにしないと。医療従事者に確率が低くても、エイズなどの感染症のリスクがあることを理解してないと。
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