私たちは利用者支援の中で、知らず知らずのうちに「苦手」や「不安」を強めてしまうことがあります。例えば送迎時に急かされ続けた利用者が、車を見るだけで不安になるように、行動の背景には学習の積み重ねがあります。
【引用はじめ】
ワトソンは、アルバート坊やの白ねずみ恐怖症を実験的に作り上げたが、日常生活の中で偶然に起きてしまう恐怖症もたくさんある。歯医者が嫌いな子どもは多い。大人であっても、特に、あの歯を削るドリルの音を聞くと、背中がぞくぞくし、手が汗ばんでくるという人も少なくない。ドリルの音は、本来は恐怖反応とは何の関係もない中性刺激である。道路工事や電気工事のドリルの音を聞いたところで、私たちは怖いとは思わない。しかし、歯科治療では、歯を削るドリルの音と、削る際の痛み(無条件刺激)が対提示される。その結果、ドリルの音が条件刺激に変わり、発汗や身体の緊張などの恐怖反応を引き起こす条件反射が成立するのである。
(舞田竜宣・杉山尚子「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」日本経済新聞出版刊 2008.12.16, p.300~p.301)
【引用おわり】
問題行動だけを見るのではなく、その行動がどのような経験から生まれたのかを考える視点が大切です。利用者が安心できる関わりを積み重ねることで、不安や苦手は少しずつ和らぎ、望ましい行動が増えていきます。

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