私たちは「苦手な人」と感じる相手を、どうして避けたくなるのでしょうか。例えば、一度強く叱られた上司を見るだけで緊張するようになることがあります。今日は行動分析学の視点から、その仕組みを考えてみます。
【引用はじめ】
A氏がなぜ苦手意識を持つようになったのか。条件反射の原理で説明できる。条件反射が成立する土台には、必ず生得的に持っている無条件反射がある。無条件反応は、A氏の「不安感、緊張感」という情動反応である。これを引き起こす無条件刺激は、上司から受けた激しい叱責である。A氏にとっては、上司の顔は鬼瓦のように見えた。本来的に、恐怖を引き起こすような顔なわけではない。だから、不安・緊張反応にとって、もともと上司の顔は中性刺激である。しかし、大きな失敗によって、上司はA氏を厳しく叱った。その結果、激しい叱責(無条件刺激)と上司の顔(中性刺激)が対提示され、上司の顔は条件刺激に変化し、その後、上司の顔だけで不安・緊張反応が引き起こされるようになったのである。
(舞田竜宣・杉山尚子「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」日本経済新聞出版刊 2008.12.16, p.301~p.302)
【引用おわり】
職員指導でも同じことが起こります。失敗した場面で強い叱責が続くと、相手や職場そのものが不安の対象になることがあります。行動だけでなく感情への影響も意識し、安心して挑戦できる関わりを大切にしたいものです。

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