職場で一度 強く叱られた経験から、その人や場所を避けるようになることがあります。例えば、会議で厳しく注意された職員が、その後の発言をためらう場合です。行動の背景には学習の仕組みが隠れています。
【引用はじめ】
パブロフの犬の場合、メトロノームの音が唾液分泌を引き起こすためには、音とエサとを何回か対提示する必要があった。一方、A氏の場合は、上司に一回激しく叱られただけで、条件反射ができてしまった。条件反射の成立には、通常の場合、対提示を何回かする必要があるが、A氏の場合のように、一回で成立する場合もある。有名なのは、味覚性嫌悪と呼ばれる現象で、何かを食べて身体の具合が悪くなった場合、その食べ物を避けるようになるという学習である。生ガキやサバを食べてひどくあたった経験をした人が、二度と食べるのはおろか、見たくもないということになる。また、地下鉄サリン事件や、9.11の同時多発テロを体験した人々が、地下鉄に乗れない、乗ろうとすると息苦しくなる、グラウンド・ゼロに近づけないというのも、ただ一回の対提示で成立した条件反射である。
(舞田竜宣・杉山尚子「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」日本経済新聞出版刊 2008.12.16, p.302~p.303)
【引用おわり】
利用者支援でも、強い不快体験は一度で行動に影響することがあります。例えば、失敗を強く指摘されて活動参加を嫌がるケースです。望ましい行動を増やすには、安心できる関わりと肯定的な経験の積み重ねが大切です。

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