2026年11月5日木曜日

行動の背景を考える

 私たちは利用者支援の中で、「この人は○○が苦手」と感じることがあります。しかし、その反応は生まれつきではなく、過去の経験によって形づくられているかもしれません。行動の背景に目を向ける視点を大切にしたいものです。

【引用はじめ】

 ワトソンが行った有名な実験恐怖症と呼ばれる研究がある。レスポンデント条件付けの仕組みを使って、実験的にねずみ嫌いを形成した研究である。ワトソンは、実験のはじめに、生後11か月のアルバートに、白ねずみを見せたが、アルバートは怖がることなく、手を伸ばして触ろうとした。一方、鉄の棒をハンマーで叩き、大きな音を出したところ、アルバートはびっくりして泣き出した。突然大きな音がすれば、大人といえども身体がびくっとするなどの情動反応が起こる。これは、われわれには、本来、大きな音(無条件刺激)が与えられると、恐怖反応(無条件反応)を引き起こす無条件反射が備わっているからである。

 これを確認したあと、アルバートに、白ねずみを見せてから、背後で鉄の棒をハンマーで叩いた。アルバートは驚いて泣き出す。これを繰り返すと、アルバートは白ねずみを見せただけで(大きな音を立てなくとも)、泣き出し、後ろを向いてハイハイで逃げ出すようになった。中性刺激だった白ねずみが条件刺激に変わり、条件反射が成立したのである。それだけではなく、ハンマーの音と対提示しなかったウサギや犬、脱脂綿など、白くてふわふわしたものを見せても泣き出すという、般化と呼ばれる現象も起こった。

 (舞田竜宣・杉山尚子「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」日本経済新聞出版刊 2008.12.16, p.300)

【引用おわり】

 以前に叱られた経験から作業を避けたり、大きな声を聞くだけで緊張したりすることがあります。見えている行動だけで判断せず、「なぜその反応が起きているのか」を考えることが、より良い支援への第一歩です。




2026年11月4日水曜日

【利用者向け1846】11月4日は「いいよの日」

  今日は 11月4日 水曜日。

 きょう 11月(がつ)4日(よっか)は 「いいよ の 日(ひ)」です。

  「やって みたい!」 「みて ほしい!」

  そんな ときに 「いいよ!」 と いって もらうと うれしい きもちに なりますね。

  のぞみの家(いえ)でも おともだち や しょくいん に やさしい ことばを 

  つかって みましょう。

  みんなで たのしい 1日(いちにち)に しましょう!



安心も不安も学習される ~パブロフの犬に学ぶ利用者理解~

 私たちは支援の中で、「この職員が来ると安心する」「この場所に行くと落ち着く」といった利用者の反応を目にします。こうした経験による結び付きの仕組みを理解する手がかりとして、パブロフの有名な実験を紹介します。

【引用はじめ】

 レスポンデント行動の原理を発見したのがロシアの生理学者パブロフである。犬を使った有名な実験をした。犬にメトロノームの音を聞かせ、その直後エサを与える。エサが口の中に入ると、犬は唾液を出す。この、「メトロノームの音⇒エサを与える」を何回か繰り返したあと、メトロノームの音だけを単独で聞かせる(エサはやらない)。すると、犬はメトロノームの音を聞いただけで、唾液を分泌した。これが、有名なパブロフの犬の条件反射の実験である。

 (舞田竜宣・杉山尚子「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」日本経済新聞出版刊 2008.12.16, p.298)

【引用おわり】

  利用者の行動や感情は、過去の経験と結び付いた刺激によって引き出されることがあります。送迎車を見ると活動を楽しみにしたり、苦手な経験をした場所で不安になったりすることもあります。支援では、その背景にある経験に目を向けることが大切です。




2026年11月3日火曜日

【利用者向け1845】11月3日は「文化の日」

 今日は 令和8年11月3日 火曜日。

  今日〈きょう〉は 文化〈ぶんか〉の 日〈ひ〉です。

 文化〈ぶんか〉の 日〈ひ〉は、みんなで 学〈まな〉んだり、芸術〈げいじゅつ〉を 楽〈たの〉しんだり する 日〈ひ〉です。

 昔〈むかし〉、日本〈にほん〉の 新〈あたら〉しい 憲法〈けんぽう〉が 発表〈はっぴょう〉されたことから、できました。

 今日〈きょう〉は 好〈す〉きな ことを 見〈み〉つけて、にこにこ 過〈す〉ごしましょう。




行動の原因は“前”か“後”か? オペラント行動とレスポンデント行動の違い

 私たちは日々、さまざまな行動を目にしています。行動分析学では、行動の原因によって「オペラント行動」と「レスポンデント行動」に分けて考えます。その違いを知ることは、支援や人材育成の理解を深める手がかりになります。

【引用はじめ】

 スキナーは、行動を二つのタイプに分類した。オペラント行動とレスポンデント行動の二つである。二つの違いは、行動の原因についての考え方である。オペラント行動の原因は、行動の直後の状況の変化にある。一方、レスポンデント行動の原因は、行動に先行する環境内の刺激である。つまり、オペラント行動とレスポンデント行動では、行動と原因の時間的順序が逆になる。

 レスポンデント行動の原理を発見したのがロシアの生理学者パブロフである。犬を使った有名な実験をした。

 (舞田竜宣・杉山尚子「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」日本経済新聞出版刊 2008.12.16, p.287~p.288)

【引用おわり】

 オペラント行動は、行動の後に得られる結果によって増減します。一方、レスポンデント行動は、先行する刺激によって引き起こされます。行動がなぜ起きたのかを見極めることが、より効果的な支援や関わりにつながります。



2026年11月2日月曜日

【利用者向け1844】11月2日「いいもじの日」

 今日は 令和8年11月2日 月曜日。

 今日(きょう) 11月2日(がつ ふつか)は 「いい もじの日(ひ)」です。

 もじを かくことや、よむことの たのしさを たいせつに する日(ひ)です。

 のぞみの家(いえ)でも、メモを かいたり、なまえを かいたり しますね。

 じぶんの もじで 「ありがとう」や 「おはよう」を かいて みませんか。

 こころが あたたかく なる 一日(いちにち)に しましょう。



 

「やめさせる」だけで、人は育たない

 私たちの職場でも、「遅刻をなくすために出勤時間を厳しく管理する」「ミスを避けるために仕事を任せない」といった対応を考えることがあります。しかし、それだけでは成長の機会を失うこともあります。行動を変えるための工夫について考えてみましょう。

【引用はじめ】

 一人の営業マンが営業活動中に、やめたい、やめなければならないと思いながらやめられないパチスロ通いに対処するために、自己強化を始める前にメンバーズカードをすべて捨てた。これを抹殺法と呼んでいる。

 抹殺法とは、問題行動をやめさせるための方法の一つで、その問題行動を物理的にできないようにする方法である。パチスロやゲーセンをこの世から抹殺すれば、絶対にこの営業マンはパチスロには行かない(行けない)。重大なミスを繰り返す部下を解雇すれば、少なくともその部下に悩まされることはもうない。来客に向かって飛びつく犬を別の部屋に閉じ込めれば、飛びつくことは不可能だ。

 物理的に当該の問題行動は二度と起きないが、抹殺法の欠点は望ましい学習の機会を奪う点だ。与えられた状況の中で、随伴性を工夫することによって、新しい行動を学ぶことが人の成長につながるからである。一人の営業マンは抹殺法で退路を断っただけでなく、自己強化も取り入れることで、学習の機会も得ることができた点が成功につながったのである。

 (舞田竜宣・杉山尚子「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」日本経済新聞出版刊 2008.12.16, p.285~p.286)

【引用おわり】

 問題行動を防ぐ仕組みづくりは大切ですが、それだけでは人は育ちません。失敗しにくい環境を整えながら、できたことを認め、望ましい行動を増やしていくことが成長につながります。利用者支援も職員育成も同じです。