仕事を覚えるとき、私たちはつい「全部できるかどうか」で自分や相手を評価しがちです。でも、一つの仕事は細かな行動の積み重ねでできています。行動分析学では、この連なりを「チェイニング」と呼び、行動を鎖のようにつないでいくことで、無理なく確実に仕事を身につけられるとされています。今日の引用は、そのチェイニングの基本であるフォワード・チェイニングについての解説です。のぞみの家の支援や職員育成にもそのまま応用できる考え方です。
【引用はじめ】
チェイニングとは、一つの仕事を細かな行動の連鎖として捉えることで、効果的・効率的な行動マネジメントができるようにすることである。
チェイニングには、フォワード(順行)とバックワード(逆行)の二種類がある。フォワード・チェイニングとは、課題分析された行動(行動1、行動2、……)を少しずつ前から順につなげて鎖を長くしていくやり方だ。営業の仕事であれば、まず訪問することを確実に完成させる。次に、訪問し、さらに自社紹介と、二つの鎖を完成させる。二つの鎖がスムーズにできるようになったら、「訪問」+「自社紹介」+「企画説明」の三つの鎖をつなげる。このように、行動1から始まって、前から順番に、少しずつ鎖を長くしていって、最後にはすべての鎖をつないで、行動全体を完成させる方法がフォワード・チェイニングである。普通、仕事というのは第一ステップから始めて第二ステップ、第三ステップへと進むから、フォワード・チェイニングというのは、ごく常識的なマネジメント手法であるといえるだろう。
(舞田竜宣・杉山尚子「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」日本経済新聞出版刊 2008.12.16, p.171~p.172)
【引用おわり】
フォワード・チェイニングは、行動を最初の一歩から順番につなげていく、とてもシンプルで実践しやすい方法です。「全部できるか」ではなく、「まず一つできるようにする」。そして「二つをつなげる」。この積み重ねが、利用者支援でも新人育成でも、確実な成長を生みます。私たちの現場で大切なのは、鎖を一気に完成させることではなく、鎖を一つずつ丁寧につないでいくこと。今日の引用を、日々の支援や職員指導のヒントとして活かしていきたいと思います。
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