動物による基礎研究から、分化の権利やシェイピングの技法が見出された。特に、ハトを実験箱に入れた研究によって、そうした原理の発見があった。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第92回目の引用である。
【引用はじめ】
分化の原理もシェイピングの技法も、元々は動物を使った基礎研究で見いだされ、開発されたものだ。行動分析学の基礎研究ではハトを被験体に使うことが多い。ハトを実験箱に入れ、はこの側面についたプラスティックの円盤をつつく行動をエサで強化するのだ。
ところが初めて実験に参加するハトには、円盤をつつくという行動が身についていない。最初は実験箱の中で歩き回ったり、羽をついばんだりしている。そこで、ハトの行動の中で円盤をつつくのに最も近い行動、たとえば円盤の方を見る行動を選んで強化するのだ。するとハトは円盤を頻繁に見るようになる。
(島宗理著 「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」 1999年 開成出版刊、p.48~p.49)
【引用おわり】
ハトの研究によって、私たちも活用できる行動の原理が明らかになった。ちょっと突飛かもしれないが、地道な基礎研究があったから人間も応用できる行動の原理をもたらしたのである。普通では思いつかない研究方法は、私たちにすばらしい貢献をしてくれたのだ。
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