企業の売上げを伸ばそうと、目標をかかげ部下たちを追い立てる。目標達成することだけ、部下に求める。目標達成するために、どのように行動すべきかを求めることはない。これではほとんどうまくいくことはない。そのことに関する、石田本による第18回目の引用である。
【引用はじめ】
あるレストランが売上アップに取り組んだ。リーダーは、ドリンクのお代わりを積極的にセールスする方針を立てた。
ウェイターたちは折を見てはお代わりを進めているのだが、客の反応は鈍い。キャンペーンではドリンクの売上を20%を増やす計画だったが、期間中の伸びは10%にも届かなかった。このレストランが犯した間違いは、行動に焦点を当てなかったことである。
ウェイターの行動を改善すれば必然的に売上は伸ばせる。リーダーは目標を設定するだけで具体的なやり方を何ひとつ教えていない。セールスを始める前に、まずウェイターの行動を分解し、チェックリストを作成する。このプロセスを経て、問題点を見つけ、ウェイターの苦手な行動を見つけ、改善した上でセールスを開始するのである。ビジネスは行動の集積である。行動を見ずして問題は改善されない。
(石田淳著「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」p.59~p.60 2007年 ダイヤモンド社刊)
【引用おわり】
目標の達成には、どのような行動をすべきか、部下たちの実情に即して実施することが必要である。部下たちができることから始める。やってみて、うまくいかなければ、実施すべき行動のレベルを下げることだってあっていい。目標に少しずつ近づくよう行動をだんだんとステップアップするのである。
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