2026年9月15日火曜日

お金は学習された“ごほうび”

 お金は本来ただの紙や金属だが、好子と交換できる経験を通じて価値を獲得する。人の行動を後押しする力は、生得的な好子だけでなく、経験で育つ習得性好子にも支えられている。

【引用はじめ】

 習得性好子=他の好子と対提示されることで好子としての機能を持つようになった刺激や出来事

 お金も習得性好子である。お金は物理的には単なる金属や紙にすぎない。これ自体、物理的には生存の役には立たない。しかし、お金を持ってゆけば、お店で食料などの生得性好子が手に入る。このように、お金と好子とが交換できることによって、やがてお金それ自体が習得性好子となり、行動を強化できるようになる。逆にいえば、好子と交換できなければ、お金は人にとって無価値なものにすぎない。たとえばお店で買い物をしたことのない赤ん坊にとって、お金は好子にならない。つまりお金というのは本来、好子でも嫌子でもない中性刺激なのである。それが他の好子と対提示されることで、価値変容を起こすのだ。

  (舞田竜宣・杉山尚子「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」日本経済新聞出版刊 2008.12.16, p.226)

【引用おわり】

 お金が行動を強化できるのは、好子と結びつく経験によって価値が学習されるからである。中性刺激が力を持つのは、対提示による価値変容が起きるためだ。



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