行動分析学などを基礎とする行動科学は、研究と実践を統合するなどして、相当の進歩をしている。勘や経験によって問題解決に取り組んできたものでは、偶然に成功してもそれが長続きすることなく、最終的には失敗することが多かった。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第122回目の引用である。
【引用はじめ】
医学や生物学などの基礎科学が未発達で医学もまだ確立されていなかった頃には、呪術や経験に基づいた処置が許されていた。他に方法がなかったのだから仕方がない。しかし、現在では医者の免許がなければ治療できない。そして実証的データにもとづいて安全で効果があると確認された治療法しか認められてない。
医学はそうかもしれないが、行動の科学は化学や生物学のように発達していないし役にたたないと主張する人は、ぜひ行動分析学の文献にあたって欲しい。もちろん、人間という複雑な対象を相手にする科学だから完璧いうわけにはいかないが、現代の行動科学は非常に進んでいる。勘や経験に頼るよりは、はるかに安全で効果的で信頼できるのだ。
(島宗理著「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」 1999年 開成出版刊、p.66)
【引用おわり】
体系化された行動科学によって、問題解決に取り組むと、短期的に効果を上げることができる。科学的手法を積極的に取り入れることで、勘や経験に頼っていた問題を乗り越えることができる。
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