報酬ってそんなに効果あるのかという疑問を呈する人たちがいる。特に、報酬を使いすぎたら、意欲も低下するというのである。確かに、一時的にはそうなる可能性はある。適切に報酬を用いれば、そうしたことは問題ない。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第129回目の引用である。
【引用はじめ】
「好子のような報酬を使いすぎると、かえって本人のやる気とか動機づけに悪影響があるのではないか?」
心理学・特に教育心理学を勉強したことのある人からこうした質問を受けることがある。確かに、パフォーマンスに依存して報酬を与えると "内発的動機" が弱まるとして、子どもの教育に物質的な報酬を与えることを批判する心理学者もいる。ところが、彼らの根拠は数セッションという短い実験期間でのデータに基づいており、より長い期間実験を行うと、一度は弱まったように見えた "内発的動機" もやがて回復するという結果も示されている。このように、報酬が興味ややる気を失わせるかどうかは本当のところは、まだ分かっていない。分かっているのは報酬を適切に用いればパフォーマンスが向上することである。
(島宗理著「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」 1999年 開成出版刊、p.73)
【引用おわり】
適切な行動をした直後に、適切な量と質の報酬があれば、その行動を維持することができる。それが繰り返すことによって、内発的動機も高まって、外発的動機づけといった報酬がなくても、適切な行動を自発するようになる。
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