決断しない上司は上司とは言えない。でも、決断することで責任を取らなければならないとなると決断できない。それでは、会社に不利益となることを知るべきなのだが。
そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第145回目である。
【引用はじめ】
課長が決断しないことをなんとかしたい。課長は、決断することにより発生する責任が嫌で、決断することを避けています。彼にとって、責任の重さは行動を左右する一大要因である。
ならば、それを逆手に使ってみる。今は責任の重さで弱化されている行動を、今度は責任の重さで強化するのです。
強化をするには、行動の後に、
- 心地よさを感じる
- 苦しみから逃れられる
ことが必要です。ならば、彼にとって大きな負担である責任が、決断することにより軽減されるというルールをつくれば、彼にとっては効果的な強化となるはずです。
たとえば、「何も決断せず無為無策のまま状況が悪くなってしまったら、それが会社にとっては最悪のことであり、そのときは、決断しなかった管理者に全責任をとってもらう」というルールを組織内に徹底するのです。そうすれば、この課長は何らかの決断を下すことで、無為無策による重大責任からは逃れられます。
舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.192~p.193
【引用終わり】
課長という地位についた限り、決断は不可欠である。そのための課長である。決断もしないで無為無策のまま放置すれば会社を危機に陥れることにもなりかねない。決断しないことの責任の方が重い。決断することが強化される随伴性が必要なのだ。
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