2023年7月11日火曜日

行動分析学とは

 行動分析学は、実際の問題を解決するための応用範囲の広い科学である。行動というからには、目に見える表面的なものだけに焦点当てたものと言った誤解されがちだが、意識といった目に見えにくいものも行動的に捉えて対応するものである。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第588回目となる。

【引用はじめ】

  • 行動分析学は、1930年頃に米国の心理学者B.F.スキナーによって確立された行動の科学の体系である。
  • それは、実験室の中で行動の原理を研究する実験的行動分析、行動の原理を実社会の中の行動に適用し行動の変革をめざす応用行動分析、行動の原理によって思弁的に行動の解釈を行う理論行動分析から成り立っている。
  • 応用行動分析は1960年頃にはじまった応用科学である。
  • 現在では、組織行動マネジメント、教育、家族関係、環境問題、スポーツのコーチング、医療、看護、リハビリテーション、動物のしつけやトレーニングなど、さまざまな分野で研究が行われている。
  • いずれにおいても、対象となる行動を実際に測定しながら、実験的行動分析学で発見された行動の諸原理を用いて行動の原因分析と介入(変革)を行い、確立された実験デザインに基づき、介入の効果測定を実行する実験科学である。

舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.205

【引用おわり】

 人の行動を変えるには、どんな条件があれば変わるのかを、行動直後にどんな条件になっているかを観察し、測定するのである。行動の直後にある条件を与えたら、その行動が増えるのか、減るのか、変わらないかを測定するのだ。こうやって、適切な行動を引き出し、不適切な行動を減らすことができるのが、応用行動分析学の適用である。

0 件のコメント:

コメントを投稿