2019年11月11日月曜日

指示待ちを責めることの問題

 リーダーの行動は、組織の業績に大きく影響する。
 リーダーが職員に対して、「指示や命令」が多くなっていないか。
 そのため、職員は指示されないと適切な行動ができなくなっている。  
 そのことについて、島宗理氏は、「指示待ちを責めること」について、以下のように述べる。
 島宗理氏のリーダー論からの第27回目の紹介である。

 【引用はじめ】

 若者の自主性の低さを嘆き、"指示待ち"と責め、個人攻撃の罠にどっぷりとはまっていませんか?

 部下が自ら進んで仕事をしないときにまず確認すべきなのは、指示や命令などの先行事象にたよりすぎていないかどうかです。
 次に、部下が自ら進んで仕事をしたときに、その行動を消去したり(無視する、取り合わなかったする)、弱化していないかどうかです(間違いを指摘する、否定する)。

 そのような職場やチームでは、それ以上指示されたり、文句を言われないようにすることだけで強化されるようになります。
 指示があるときだけ仕事をして、それ以外は自分から進んで仕事をしなくなります。
 まさに"指示待ち"です。 
    
 (島宗理著「リーダーのための行動分析学入門」p.70、2015年、日本実業出版社刊)

 【引用おわり】

 リーダーは、職員の自主性を批難する。
 しかし、その場合リーダーが原因であることに気づいていない。
 リーダーによる職員の行動に合わせない指示が問題になっていることを。
 あいつは、能力がないとか、努力しないとか、情熱に欠けるなどと「個人攻撃の罠」にはまっている。
 職員にとっては、傍若無人なリーダーにしかみえず、リーダーに言われた通りしていれば、その場をしのげるといったことになりがち。
 それが指示待ち状態に陥るのだ。

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