行動を制御する場合、嫌子を使って問題行動を弱化しようとする。
しかし、その効果は長続きせず、一時的なものである。
そうであっても、どうしても嫌子を使ってしまう。
それはなぜか。
このことについて、舞田本では次のように述べている。
舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で201回目となる。
【引用はじめ】
それでも人は嫌子を使い続ける。
嫌子を使う行動が強化されているからだ。
部下が帰り支度を始めたとたん、課長がジロリと睨むと、一瞬、帰り支度の手が止まったり、部下がバツの悪そうな顔をしたりする。
それが強化の随伴性となって、嫌子を与える行動を強化するのだ。
したがって、課長が嫌子を与える行動は、部下の行動で強化されている。
部下をコントロールしていたつもりの課長もまた、気づかぬうちに、部下によってコントロールされているのである。
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.58、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
嫌子を使う弊害が多いから、嫌子を使うことをやめようとしてもそれがやめるのは難しい。
嫌子を使うことが強化されている状況があるからである。
こういう随伴性をきちっと分析して嫌子を使わない方策が必要となるのだ。
それは、嫌子を使い続けることが組織を疲弊させてしまうからである。
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