2020年7月9日木曜日

その場面に適切な行動を何も教えていない

 行動を制御する場合、嫌子を使って問題行動を弱化しようとする。
 本当にそれだけでいいのか。
 問題行動をなくすことも大事だが、その場において適切な行動ができるようにすればいい。
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で199回目となる。

【引用はじめ】


 問題行動を弱化したいのはわからなくはない。
 しかし、問題行動をしなくなることが本当の解決と言えるのだろうか。
 問題行動をしないだけではなく、その場にふさわしい望ましい行動をすることこそが求められている。
 その場面で行うべき適切な行動を強化の原理によって教えていくことが、活気ある会社を作るためには必要だ。
 もし、問題行動と同時にはできないような望ましい行動があるとすれば、むしろ、その望ましい行動を強化するだけで、自然と問題行動はなくなる。
 行動分析学では、対立行動分化強化と呼ばれる手法である。

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.57、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】

 会議において、部下が発言しないとか、いいアイデアを出ないことに上司が叱責してもいい結果になるとは思えない。
 常に静まり返って、シーンとした状況では気まずくなるばかりだ。
 追い打ちをかけるように上司が「お前たちはやる気があるのか」などと否定的な言葉になってしまい、場の雰囲気がさらに悪くなる。
 それよりも、ちょっとした発言やアイデアがあったら、すかさず肯定的な反応を示すなどをすることである。
 会議の雰囲気を盛り上げる工夫をすることで部下たちを励ますことのほうが大事である。

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