表彰はせいぜい年一回程度のことが多い。
それでは、組織全体の活性化に役立つ可能性は少ない。
それについて、舞田本では次のように述べる。
舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で292回目となる。
【引用はじめ】
組織のチームワークを強化することが表彰制度の目的であるのなら、強化の頻度が重要である。
人と組織の行動を変えるためには、何度も強化を繰り返さなければならない。
年に一回くらい表彰することは、何もしないよりはよいだろうが、行動分析学的に見て十分だとはとてもいえない。
行動分析学の創始者スキナーは、教育分野にも多大な貢献をしたが、小学生が算数の基礎技能を身につけるには、五万回の強化が必要だと述べている。
一時間当たり七◯回である。
しかし、現実に教師が与える好子(この場合は褒め言葉)は、一時間当たり平均六回にすぎない。
もちろん、企業において、社員の行動を強化・維持するためにこれだけの強化が必要か否かは不明である。
しかし、企業においても、要求される行動を引き出すには、現実の強化があまりに少ない。
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.223~p.224、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
表彰制度は表彰される本人にとっては喜ばしい。
しかし、組織そのものの向上にあまり寄与することにはならない。
表彰回数が極めて少ないからだ。これが表彰制度の限界である。
強化の回数を増やす方策によって、組織活性化を図る必要がある。
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