2020年10月25日日曜日

表彰されたかもしれない中間層があるといい

  表彰制度をうまく運用する3番目のポイントは、「誤差を飲み込む」ことである。

 そのことを舞田本では、以下のように述べる。

 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で303回目となる。

 【引用はじめ】 

 表彰制度について、組織の関与を高める手段には、次のような四つのポイントがある。

  1. 透明性を持たせる
  2. 全員が参加する
  3. 誤差を飲み込む
  4. 渡し方が肝心である 

 3番目の「誤差を飲み込む」とは、次のようなことである。

 表彰制度は、考課制度のように厳密な評価をすることは難しい。どのようなプロセスであろうと、候補者を絞り込むことは、実際には甲乙つけがたいのである。それなのに、選定の誤差を無視して「表彰される人」と「されない人」に無理やり二分してしまうのは、やはり疑心暗鬼のもととなる。「Aさんは表彰され、Bさんはされなかったが、二人はほとんど同じじゃないか」というわけだ。

 そこで、「表彰された人」と「されなかった人」の間に、「表彰されたかもしれない人」という層を作る。

 このようなグラデーション構造を作ることで、選定の誤差は解消される。

 また、このような中間層を設ければ、そこに入ろうと頑張る人も少なからず出ることが期待できる。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.229~p.230、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 なぜ、この人は表彰されたのか。別の人のほうが表彰されるべきでないか。こうした疑問が起きがちである。

 表彰の難しいところである。きちっとした差が見出せないからである。

 それならば、次は表彰の可能性があるかもしれないことを明らかにする方策を取ったらいい。

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