行動を強化する好子には、生得性のものと習得性のものがある。
その中で、お金は習得性好子である。お金が習得性好子になる経緯はどうしてか。
そのことを舞田本では、以下のように述べる。
舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で297回目となる。
【引用はじめ】
お金も習得性好子である。
お金は物理的には単なる金属や紙にすぎない。
これ自体、物理的には生存の役には立たない。
しかし、お金持ってゆけば、お店で食料などの生得性好子が手に入る。
このように、お金と好子とが交換できることによって、やがてお金それ自体が習得性好子となり、行動を強化できるようになる。
逆にいえば、好子と交換できなければ、お金は人にとって無価値なものにすぎない。
たとえばお店で買い物をしたことのない赤ん坊にとって、お金は好子にならない。
つまりお金というのは本来、好子でも嫌子でもない中性刺激なのである。
それが他の好子と対提示されることで、価値変容を起こすのだ。
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.226、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
お金は赤ん坊にとっては無価値なものである。それが価値あるものになるのは、大切なものと交換できることを学習するためである。自分にとって欲しいものがお金によって手に入るためだ。コンビニに行ってチョコをお金によって買えることを経験すると、お金の価値を理解するのである。そのようにお金などに興味なかったのが価値あるものと交換できる経験を積むことで、お金が好子となるのである。
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