2021年2月19日金曜日

行動の定着には強化が不可欠

  行動のきっかけとなる「言語指示」「モデリング」「身体的誘導」なども大事だ。しかし、行動を定着するには「強化」しなければならない。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第46回目である。

【引用はじめ】

 行動のきっかけとなる刺激は、正しい行動を引き起こしはするが、定着はさせない。つまり正しい行動を身につけさせるには、やはり強化が不可欠である。

 会議で進行役の上司が参加者である部下に対して「誰か意見はないか?」と聞いたときに、それに触発されて意見を述べる部下がいたら、上司はその部下に対し、

  • 好意的な目を向ける
  • 話を真剣に聞く
  • 「なるほど」と感心する
 などの強化をしなければならない。もしも、「意見はないか?」と促されて意見を述べたのに、部下の話が無視されたり(消去)、馬鹿にされたり(弱化)したら、その部下はもう、意見を言うという行動はしなくなるはずだ。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.63~p.64

【引用おわり】

 行動の直前の刺激である「言語指示」「モデリング」「身体的誘導」は、適切な行動を促す。ただ、それだけでは十分とは言えない。行動の直後の強化も必要である。そうでなければ、適切な行動は定着しないからである。 

0 件のコメント:

コメントを投稿