段階的に強化してゆく方法が、シェイピングである。それに対して、一連の行動の連鎖を順序良く強化するのがチェイニングだ。
そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第48回目である。
【引用はじめ】
新人が営業できるようになるということは、営業のプロセスを構成するいくつもの行動が、全てできるようになるということである。たとえば新規営業の場合には、
- 名刺を交換する
- 自社や自社製品を上手に紹介する
- ニーズを正確に聴きとる
- ニーズを満たす提案をする
- 価格や納期などの条件を詰める
- 契約を結び、受注する
- 継続的にリピート受注を得る
といった7つの行動が、鎖のようにつながり、その長い鎖が途中で途切れずに最後まで、いけるようになって、やっと成果に結びつく。
たいていの人は、この一連の行動を、暗中模索の試行錯誤の中で身につけてゆく。ただ、それでは時間がかかるのが難点だ。
暗中模索の試行錯誤では、モチベーションが続かない人もいる。日々の成長が確実に感じられ、自他ともに認められるのと、いつまで経っても自分がどれだけ伸びたのか判然としないのとでは、仕事に取り組む姿勢も変わってくる。
こういう場合にはチェイニングを使うのである。
舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.68~p.69
【引用おわり】
一連の行動をつなげて順番に強化してゆくことで、効率的に適切な行動を身につけてゆくのがチェイニングという手法である。試行錯誤をできるだけ少なくする方法として有効である。一連の行動のつながりを分析することが重要である。
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