大事な行動を維持するには、初めは連続強化で行動を形成し、その後部分強化を続け、徐々に強化の頻度を下げていく。ただ、強化は時おりし続けることがその行動を維持することになる。
そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第33回目である。
【引用はじめ】
新入社員に仕事を教えるときは、まずつきっきりで、やり方を教え、やらせてみて、できたら褒めることをしばらく続ける。つきっきりで本人の行動を見てあげて、できるたびに褒めてあげるほうが、本人の伸びが早いからだ。連続強化をすることになる。
いつまでもそれを続けていると、今度は、褒められないと動かなくなる人になりかねない。それでは一人前になったとは言えない。それに、教える側も、いつまでもつきっきりで指導するわけにはゆかない。
そこで、新しい仕事に習熟するまでは連続強化を行い、それに慣れてきたら今度は2回に1回褒めるようにし、次に3回に1回、そして4回に1回という具合に、強化の頻度を下げていく。部分強化に切り替えてゆくのである。部分強化には行動を維持する効果があるので、褒められなくてもきちんと仕事をする人が育つ。
ただ、初めのうちは毎回褒めるが、ある日から全く褒めなくなるというのは駄目だ。褒めないというのは「消去」だから、行動が減ってしまう。だから段々と頻度を下げながらも、強化は続けることが必要だ。
舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.49~p.50
【引用おわり】
まずはしっかりと連続強化によって新入社員が一人で仕事ができるようにすることである。自立的に仕事ができるようになったら、部分強化によって励ましたりすることを忘れてはならない。もちろん、その部分強化の頻度はだんだん減らすことになる。でも、たまには声がけしていい仕事を褒めることを忘れてはならない。
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