2021年3月31日水曜日

あいさつしない理由を行動的に分析する

 部下が上司に対して、適切な挨拶をしない理由はなぜだろうか、それを行動的に分析してみる。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第83回目である。

【引用はじめ】

 挨拶をしない理由

 先行条件(A)上司を見かけたとき

 ⇒ 行動(B)挨拶する

 ⇒ 結果(C)1 無視される(消去)

 ⇒ 結果(C)2 ジロリと睨まれる(弱化

 ⇒ 結果(C)3 仕事について追及される(弱化)

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.115

【引用終わり】

 上司は部下が自分に対して挨拶するのは当たり前と考えている。そのため、部下が挨拶してもぞんざいな対応をする。それが繰り返されれば、部下も上司に対してきちっと挨拶しなくなって、上司とは目も合わせたくなるなんてこともある。

 部下の挨拶の直後の上司の対応が強化を伴わず、無視・睨むなど消去や弱化される結果によるものだ。 

2021年3月30日火曜日

行動分析学マネジメントの基本

 部下が覇気がなくて困っている。それをどうすれば変えることができるか。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第82回目である。

【引用はじめ】

 行動分析学マネジメントの基本

  1. 問題を行動的に解釈する
  2. 現在の行動の原因となっている強化や消去や弱化を明らかにする
  3. 行動を変えるための新しい強化/消去/弱化を計画し実行する 

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.113

【引用終わり】

 部下が覇気がないといった状態的な見方で終始するのでなく、覇気がないことを「挨拶しない」「仕事が遅い」などの行動的に解釈すると問題が明確になる。

 そして、その行動の原因は、職場において強化・消去・弱化のいずれかかを明らかにするのである。部下が挨拶しても、上司が挨拶を返さない結果が「挨拶しない」ということになっていたかもしれない。

 そうであれば、部下の挨拶に対して、上司も挨拶することで覇気のある挨拶をするようになるのだ。

2021年3月29日月曜日

今の行動の現状分析しないと改善策は見いだせない

  部下が覇気がないのはなぜか。覇気を持たせるにはどうすればよいか。「もっと覇気を持て」と言ったところで、部下の行動が変わるわけがない。「覇気とは」何かを行動的に解釈することである。さらに、覇気のない「挨拶」などがどのように強化されているのか現状分析する必要がある。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第81回目である。

【引用はじめ】

 部下に覇気を持たせるためには、挨拶をする、明るい表情をする、発言する、仕事を全速力でする、という行動を身につけさせることが課題である。

 それでは、そのためにはどうすればよいか? まず考えられるのは、「挨拶しろ」「明るい表情をしろ」「発言しろ」「仕事をもっと速くしろ」という指示命令です。

 言語的指示は行動を引き出します。そのように指示されれば、特別な理由がない限りたいていの人は行動変化の努力をする。しかし、言語的指示だけでは部下の行動変化を持続させることはできません。行動直後の強化がないからです。

 そしてもうひとつ考えておかなければならないのは、その部下が今はなぜ、そのように振舞っているのかということです。人がある行動をしたりしなかったりするのは、本人が意識しているか否かは別として、必ず理由があります。その理由は、強化・消去・弱化で説明ができるものです。

 ですから、まず今の行動についてどのような強化・消去・弱化が働いているのかを現状分析することが、改善策を考える前にすべきことになります。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.111~p.112

【引用終わり】

 覇気のない部下に対して、「ちゃんと挨拶しろ」「もっと早く仕事しろ」と指示命令しても必ずしも効果があるわけでない。覇気のない行動でも職場内は許されているためである。覇気がなくても良しとする職場を変えない限り部下の行動は変わらない。部下に対して、覇気のない行動を消去し、弱化し、覇気のある行動を強化することである。 

2021年3月28日日曜日

問題を状態的でなく行動的に解釈する

  部下に対して「覇気がない」といっても何の解決にもつながらない。状態の説明にすぎないからである。それを具体的な行動レベルに落とし込んで説明することで、解決につなげる必要がある。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第80回目である。

【引用はじめ】

 問題を行動的に解釈する

 状態的解釈 「覇気がない」

 行動的解釈 「挨拶をする(ことが欠如)」 「明るい表情をする(ことが欠如)」 「発言する(ことが欠如)」 「ゆっくり仕事をする」

 ただ「覇気がない」としか言えなかったときには、解決策としては「もっと覇気を持て」と精神論をぶつか、社外の厳しい研修に送り込むかくらいしか手はないように思えましたが、このように状況を行動的にとらえれば、もう少し別の有効な解決策・改善策が考えられそうです。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.111

【引用終わり】

 部下に対して「覇気がない」から「もっと覇気を持て」とはっぱをかけても、変わらない。単なる精神論ではどうしていいかわからない。そのためには、「覇気がない」状態とは、行動的にどういうことか明確にすべきなのである。そうすれば、「覇気のある」行動がわかり、そうした行動に変えようとなるのである。

2021年3月27日土曜日

覇気のない部下を行動的に解釈する

  「覇気がない」といっても具体的にどんな行動か、明確でない。具体的にはどんな行動かをはっきりすると問題が明確になる。問題が明確になってこそ、行動を変えることができるのだ。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第79回目である。

【引用はじめ】

 覇気のない部下を変えるために、私たちは職場をどう変えればよいのでしょうか。まず、問題を行動的に解釈しなければいけません。

 「覇気がない」というのは状態であって行動ではありません。状態を表す言葉は総体的かつ抽象的なので、そのままでは分析も変革もなかなかできません。具体的な行動として問題を定義することから、解決の糸口が見えてきます。

 それでは、この部下の覇気がない状態を行動的に解釈すると、どういうことになるのか。

  • 職場で顔を合わせても挨拶もせず、ただ黙って通り過ぎる
  • 職場では目を伏せがちで、明るい表情をすることがない(明るい表情をする行動が消去・弱化されている)
  • ミーティングで発言しない(発言する行動が消去・弱化されている)
  • 仕事をゆっくりやる 

 ということが、全体として”覇気がない"という感じに見える。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.109~p.110

【引用終わり】

 「覇気がない」とはどんな状態のことか。それを具体的な行動レベルで捉えるとどうなるか。覇気のない問題行動を行動的に解釈してこそ、行動変容に役立てることができる。

 日々の活動を丸めないで、行動の一つ一つに着目してその問題を取り上げることが大切である。

2021年3月26日金曜日

覇気のない部下は職場環境が原因

 「覇気のない」部下を、いくら外部研修で変えようとしても変えることは期待できない。そもそも問題は、職場環境にあるからである。職場内で部下の行動は強化・消去・弱化されて、「覇気のない」行動になっていると解するべきだからである。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第78回目である。

【引用はじめ】

 元気のない部下や覇気のない部下をどう活性化したらよいのか。こうした部下には「覇気がないぞ」とか「もっと元気を出せ」と言っても、まるで宇宙人を見るような目つきで見返されたりする。

 そこで、こうした状況を職場で改善するのではなく、外部の研修に派遣して何とかしようとする。こうした外部研修には一定の効果が期待できるものもあり、参加して戻ってくると確かに何か変わったように見受けられることもある。

 ただ、問題は、研修の効果は往々にして持続せず、職場に戻ってしばらく経つと、またもとと同じ状態になってしまうという点です。これは研修が悪いのではなく、人の行動が職場という環境の中で強化・消去・弱化されているためです。

 つまり、その人の行動の原因となっているものは実は職場にあるわけで、そこを変えない限り本人の行動も変わらないのが自然なのです。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.109

【引用終わり】

 職場環境を変えてこそ、部下の行動も変わる。上司が部下に期待にする「覇気ある」行動を生み出すにはどうすればよいか。

 「覇気ある」行動を具体的に定義して、その一つ一つに対して、行動が自発された直後に強化するのである。「覇気がない」時は、消去する。そうしたことを持続的に繰り返す必要がある。上司にとっても根気強い対応がいる。 

2021年3月25日木曜日

ルールは明文化された明確なものがいい

 ルールがハッキリしているかどうかが、行動への影響を左右する。業績の程度によって、賞与額が決まったりすると頑張り方も違ってくる。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第77回目である。

【引用はじめ】

 ルールには、明文化されたものも、慣習的なものも(見えないルール)あるが、内容が明確で、適用されることが確実なものほど行動に与える影響は大きい。

 たとえば業績をあげたら賞与が増えるということも、どれだけの業績をあげたらいくらの賞与がもらえるのかといった明確で具体的なガイドラインが示されているほうが、ただ何となく「がんばれば、賞与がそれなりに増えるかもしれない」といった漠然たる期待を抱かせるより働く人を鼓舞することができる。 

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.102~p.103

【引用終わり】

 ルールが明文化されたりしておくと、それに沿った行動がやりやすくなる。ルールどおりに行動することによって、強化されることになるからだ。より良いルールの設定は、より良い行動を生み出す。 

2021年3月23日火曜日

ルール支配行動

 人間は他の生物にはない特徴がある。それが明日のために生きることができるということだ。ルールによって行動ができることである。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第76回目である。

【引用はじめ】

 あらゆる生き物の中で、人間だけが明日のために今日を生きることができる。では、なぜ人間だけがそれをできるのだろう? そこには、ルール支配行動というものがある。

 たとえば働く人が仕事をがんばるのは、その直後に得られる達成感や相手の笑顔に加え、当然ながら有形無形の報酬への期待がある。目標を上回る業績を上げれば賞与が増えるとか、昇給するとか、昇進・昇格するとかいったことである。このように、「〇〇すると▢▢が起きる」という、行動と結果のセットである決まりごとを行動分析学ではルールという。  

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.102~p.103

【引用終わり】

 目標が150%達成したら、ボーナスが2倍出るなどのルールが提示されると、それが達成できるように頑張る。これがルール支配行動と呼ばれるものである。ルールが明確であればあるほど、すごく頑張る。

 

2021年3月22日月曜日

トークンは感謝や称賛の見える化

 トークン(しるし、象徴)によって、相手に感謝や称賛の気持ちを示すことはとても効果的だ。相手の頑張りに対して花束を贈って、その頑張りを形として示すのである。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第75回目である。

【引用はじめ】

 トークンは、感謝や称賛といった見えないものを「見える化」できる特長がある。物自体に心を込めて、相手に届けることができる。だから、「ありがとう」という一言とともに花を渡すことは、無形の言葉だけのときに比べ、有形のものも加わっている点で、相手に与える心理的効果がより大きくなる。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.100~p.101

【引用終わり】

 スポーツ大会などでは、成績優秀者に対して、メタルやトロフィーなどが授与される。メタルなどはよく頑張ったという証である。こうしたトークンが私たちを励まし、次への頑張りを促す強化となるのだ。 

2021年3月21日日曜日

トークンによる強化

 てきるだけ強化の機会を増やす工夫として、トークン(しるし、象徴)を用いるといい。トークンを一定量ためて価値あるものと交換できるようにするのである。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第74回目である。

【引用はじめ】

 トークン

 (直前)褒められない⇒(行動)良い仕事をする⇒(直後)褒められる 「一時的な強化」

 (直前)カードなし ⇒(行動)良い仕事をする⇒(直後)カードあり 「トークンによる強化」

 ⇒景品交換・パーティー招待

 強化をすれば、人は伸びる。これはシンプルかつ確実な真理である。問題は、いかに強化の機会を増やし、強化そのものを効果的に行うかにある。

 小さな目標をたくさん設定せよ、というのは、強化の機会を増やす工夫というものもある。その一つがトークンだ。

 トークンは「しるし、象徴」という意味であり、何か価値あるものを象徴する代替物のことである。たとえばポーカーチップなどは、代表的なトークンの一つだ。カジノで使われるプラスチック製のポーカーチップは、それ自体に物質的価値はほとんどない。けれど、それが後に貨幣と交換できるから、実質的に貨幣と同じ価値を人は感じる。つまりポーカーチップは貨幣の「しるし、象徴」として機能しているのである。実は貨幣そのものも、一種のトークンである。なぜなら、貨幣そのものは金属の塊か紙片にすぎず、食べることも着ることもできないからだ。

 しかし人は、後に食べ物や服飾類や各種娯楽と交換できるから、貨幣に価値を感じるのである。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.99~p.100

【引用終わり】

 トークンにはいろんなものがある。その代表が貨幣である。カジノで使われるポーカーチップもその一つだ。クーポンやカードなども価値あるものと交換できるなら、トークンである。トークンを使うことで強化の機会を増やすことができ、適切な行動を形成することができるようになる。 

2021年3月20日土曜日

自己強化と目標 達成可能な目標

 自己強化をうまくやり遂げるためには、適切な目標を持つことが必要である。達成可能な目標でなければならない。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第73回目である。

【引用はじめ】

 自己強化と目標  ◯達成可能な目標を持つことが大事

 先行条件(A)目標立てて ⇒行動(B)努力する ⇒結果(C)達成できてうれしい 「強化」

 先行条件(A)目標立てて ⇒行動(B)努力する ⇒結果(C)達成できずむなしい 「消去」または「弱化」

 目標は、あればよいというものではない。本当に大切なのは、「目標達成する」という行動ができることである。目標があっても達成できなければ、自己強化はできないからだ。

 目標を立てて努力しても結果が悪ければ、それを繰り返しているうちに、人は努力する意欲自体を失ってしまう。行動分析学的に表現すれば、努力するという行動が消去または弱化されてしまう。

 ピークを過ぎて結果が出せなくなったアスリートが引退を考えるのは、こうしたメカニズムによると思われる。だから目標設定のポイントは、頑張れば達成できるくらいのものにすることが第一である。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.97

【引用終わり】

 ある程度努力すれば、目標が達成できるようにすることで自己強化は可能である。いくら努力しても目標が達成できなければ、行動は弱化や消去されてしまい、自己強化することができない。そうした状況では、いい結果は生み出されない。そのためにも、少々の努力によって達成できる目標が良いのである。

2021年3月19日金曜日

自己強化によって自己をより良く変える

 自分自身にとって、望ましい行動を強化することを自己強化という。自己強化の機会を増やすには「目標を持つこと」だ。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第72回目である。

【引用はじめ】

 自己強化  ◯自分自身の望ましい行動を強化する

 直前)自分への称賛なし ⇒(行動)やるべきことをやる ⇒(直後)自分への称賛あり

 (直前)快感なし ⇒(行動)目標を達成する ⇒(直後)快感あり

 自分が良いことをしたら、本気で自分を称え、遠慮なく喜びに浸る。これを身につけると、自分自身が変わってゆくことを実感できるはずだ。

 また、こうした自己強化ができる機会を増やすためには、目標持つことが有効となる。目標を持てば、それが達成できたときに自分を強化することができるからである。

 「目標を持つことが大事だ」と言われるが、それは行動分析学的に言えば、自己強化の機会となるからだ。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.94~p.96

【引用終わり】

 自分の掲げた目標がうまくいったら直ちに良かったと認める。それが自己強化だ。

 自己強化の機会を増やすことで、自らの望ましい行動を増やしていくのである。自己強化によって、自己変革につなげる可能性も高まる。 

2021年3月18日木曜日

代替行動を強化する

 職場内において、新しいアイデアが提案されたとき「できない理由を述べる」ことを認めることが優勢な雰囲気では、創造性は発揮されない。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第71回目である。

【引用はじめ】

 できない理由を述べなくなったというだけでは、創造的な職場ができたことにはならない。ここではむしろ、新しいアイデアが提案されたとき、そこに現実上の難点があったとしても、こうすればできるという「できる方法を述べる」ようにみんなを変えたいのである。

 今までの、

 A(先行条件) 新しいアイデアが提案されたときに

 B(行動) できない理由を述べると

 C(結果) 周囲が感心する

 というパターンを、B(行動)だけ入れ替えて、

 A(先行条件) 新しいアイデアが提案されたときに

 B(行動) できる方法を述べると

 C(結果) 周囲が感心する

 このように、ABCのB(行動)に着目し、問題行動を減らすとともに望ましい行動を強化することを、代替行動の強化という。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.93

【引用おわり】

 できない理由なんていくらでも思いつく。それに終始していたら、発展性や創造性が発揮できない。前向きな対応に切り替えていくしかない。できる方法を見いだし、それに向かった取り組みに重きを置く必要がある。  

2021年3月17日水曜日

「できない理由を述べる」人がいなくなる

 新しいアイデアが提案されると、多くの人がその「できない理由」を探す場合がある。こうした職場には、創造的な文化が生み出されにくくなる。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第70回目である。

【引用はじめ】

 ある職場において、新しいアイデアが提案されたときには、よってたかってみんなが「できない理由」を探そうとしてしまうことがある。それでは、創造的な仕事などできるわけがない。

 こういうときにはどうすればいいのか。まず、今までの「結果を変える」というアプローチをとるなら、「できない理由を述べる」という行動を、強化ではなく消去もしくは弱化するのである。

 ◯できない理由を述べた人がいても、その意見を聞かない(消去)

 ◯できない理由を述べる人に対して、「そんな話ばかりしていても前には進まないだろう」などと注意する(弱化)

 これによって、「できない理由を述べる」人はいなくなる。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.92

【引用おわり】 

2021年3月16日火曜日

新しいアイデアを認める職場

 新しいアイデアが提案されると、多くの人がその「できない理由」を探す場合がある。こうした職場には、創造的な文化が生み出されにくくなる。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第69回目である。

【引用はじめ】

 A(先行条件) 新しいアイデアが提案されたときに

 B(行動) できない理由を述べると

 C(結果) 周囲が感心する

 こういう職場では、新しいアイデアが提案されたときには、よってたかってみんなが「できない理由」を探そうとしてしまうのである。それでは、創造的な仕事などできるわけがない。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.92

【引用おわり】

 創造性や革新性といった雰囲気をかもし出す職場と言うのは、そうしたことに対する肯定的な行動がなければならない。新しいアイデアが提案されたときは、多くの人がそうだねと認める雰囲気である。みんなでそうしたことに対して、応援する職場が必要だ。 

2021年3月15日月曜日

「できない理由」を強化している

 職場の中で、新しいアイデアに対して、「できない理由」ばから幅を利かせることがある。こうなると、新しいアイデアなど出にくくなってしまう。前例踏襲ばかりの職場に陥ることになる。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第68回目である。

【引用はじめ】

 職場の光景として、誰かが何か新しいアイデアを考えだすと、別の誰かが「できない理由」を述べ、アイデアが没になってしまうというものがある。

 一見すると、その「できない理由」はもっともらしく、万人を納得させるに足る力を持っていることも多い。だから、できない理由を述べる人の方が往々にして組織では尊敬されることもある。

 だが問題は、この現象を行動分析学的に解釈すると、「できない理由を述べる」という行動が強化されていることにある。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.91

【引用おわり】

 新しいアイデアが重視されない職場では発展性がみられない。今までどおりが良しとされ、何かを変えるということがない。変革を求めない組織文化となりがちである。 

2021年3月14日日曜日

代替行動を強化する

 行動を変えるには、行動の直後の結果を変えるだけでなく、行動そのもの変えることも必要である。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第67回目である。

【引用はじめ】

 代替行動を強化する

 「今までは」

 先行条件(A)= 「新しいアイデアに対して」 ⇒ 行動(B)= 「できない理由を述べる」 

 ⇒ 結果(C)= 「周囲が感心する」

 「これからは」

  先行条件(A)= 「新しいアイデアに対して」 ⇒ 行動(B)= 「できる方法を述べる」

 ⇒ 結果(C)= 「周囲が感心する」

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.91

【引用おわり】

 ABC分析において、Cの結果の部分を強化したり、弱化したり、消去することに着目するだけでなく、Bの行動を変えるやり方だってある。

 Aの先行条件とCの結果が変わらなくても、Bの行動を変えることで行動は変わるのは当然である。

2021年3月13日土曜日

組織文化を革新的にする

 「組織文化」を変えて、もっと積極的で革新的な文化にしたい。ABC分析によって、Cの部分を変えると変わる可能性が高い。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第66回目である。

【引用はじめ】

 文化がABCによって生まれることが分かれば、文化をどうすれば変えられるかも分かる。ABCを変えればよいわけだ。

 ABCを変えるとは、具体的にはA(先行条件)とC(結果)の関係を変えることだ。具体的には、

 先行条件(A)= 「偉い人が集まる会議で」

 ⇒ 行動(B)= 「突拍子もないアイデアを言うと」 

 ⇒ 結果(C)= 「白い目で見られる」

 という結果を、

 ⇒ 結果(C)= 「面白がられる」と変えてみる。

 このようなことを積み重ねてゆくと、その職場では、皆が偉い人の前でもユニークなアイデアを自由に発言するようになり、前例踏襲という行動は減り、何か新しいことをやってみるという行動が組織的に習慣化される。

 つまり、「革新的な文化」が生まれる。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.88~p.90

【引用おわり】

 組織を革新的なものにするには、部下が前向きで積極的な行動の直後に適切な強化を続けることである。無視したり、苦言を呈したり、否定するなどの結果を避け、いいねと言った肯定的な対応を繰り返すのである。部下を尊重し、認める態度が重要だ。 

2021年3月12日金曜日

組織文化を変える(革新的な文化)

  「組織文化」を変えようとするには、どうするか。それをABC分析によって明確にして、組織内の雰囲気を変えるのである。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第65回目である。

【引用はじめ】

 組織文化を変える(革新的な文化)

 先行条件(A)= 「偉い人が集まる会議で」 ⇒ 行動(B)= 「突拍子もないアイデアを言うと」 

⇒ 結果(C)= 「面白がられる」

 先行条件(A)= 「前例がないときに」 ⇒ 行動(B)= 「試しにやってみると」 

⇒ 結果(C)= 「称賛される」 

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.88

【引用おわり】

 組織において、革新性を求めるには、それに適した結果が必要である。革新的な言動や行動を肯定的に捉えるのである。組織全体が少々突拍子もないアイデアを面白がったりする雰囲気がかもし出される必要がある。

2021年3月11日木曜日

組織文化のつくられ方

 「組織文化」はどのように作られるか。それをABC分析するとどうなるか。まずは「保守的文化」はどのように作られるか。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第64回目である。

【引用はじめ】

 組織文化のつくられ方(保守的な文化)

 先行条件(A)= 「偉い人が集まる会議で」 ⇒ 行動(B)= 「突拍子もないアイデアを言うと」 

⇒ 結果(C)= 「白い目でで見られる」

 先行条件(A)= 「前例がないときに」 ⇒ 行動(B)= 「試しにやってみると」 

⇒ 結果(C)= 「たしなめられる」 

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.86

【引用おわり】

 組織内で、突拍子もないアイデアを言ったり、前例のないことをやったりすると、白い目で見られたり、たしなめられたりする。そうすると、突拍子もないアイデアを言うこともなくなり、前例のないこともしなくなる。結局、新しいことをやらない保守的な組織に終始することになる。新しいことに対しては、弱化や消去が使われる。今までどおりで良いという組織文化が続くことになる。 

2021年3月10日水曜日

「空気を読む」という理論的説明

 「空気を読む」ということはどういうことか。ABC分析で理論的説明がつく。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第63回目である。

【引用はじめ】

 人は無意識のうちに、先行条件(A)によって行動を使い分けている。それは、「空気を読む」という言葉で表される。

 たとえば職場では、仲間内では突拍子もないアイデアを言う人であっても、偉い人が集まる会議ではたいていは黙っておとなしくしているだろう。

 それが俗に「空気を読む」と言われることだが、行動分析学を使えばきちんとした理論的説明がつけられる。

 つまり、働く人自らが先行条件(A)と結果(C)の関係を学習し、その職場におけるいわゆる常識的行動を学習しているのである。逆に、「その場の空気を読まない」人というのは、要するに先行条件が何であっても同じ行動をしてしまう人のことである。こうした人は、ABCの関係を学習しない(またはできない)ために、自らを職場に適応させることが難しくなっているのである。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.85

【引用おわり】

 先行条件によって、行動をどうするか。そして、行動の結果がどうなるか。それを学習して行動を変えれば、「空気を読んだ」ことになる。

 行動の結果によっても、行動そのものを変えることができなければ「空気を読めない」ということになる。 

2021年3月9日火曜日

弱化・消去・強化をABC分析する

 行動をABC分析すると、弱化しているのか、消去しているのか、強化しているのかというのがよくわかる。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第62回目である。

【引用はじめ】

 A(先行条件):  偉い人が集まる会議で

 B(行動): 突拍子もないアイデアを言うと

 C(結果): 白い目で見られる

 というもの(弱化)と、

 A(先行条件):  偉い人が集まる会議で

 B(行動): 突拍子もないアイデアを言うと

 C(結果): 無視される

 というもの(消去)と、

 A(先行条件):  偉い人が集まる会議で

 B(行動): 突拍子もないアイデアを言うと

 C(結果): 面白がられる/称賛される

 というもの(強化)があるということになる。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.84~p.85

【引用おわり】

 私たちにとってのさまざまな行動において、A(Antecedent)=先行条件、B(Behavior)=行動、C(Consequence)=結果、がどうなっているかを明らかにすることによって、どのように行動が変化するかが予想できる。行動が減少するのか、なくなるのか、増えるのかということだ。

 それが弱化、消去、強化ということである。 

2021年3月8日月曜日

ABC分析を日本語にすると

 行動に関して、どのように分析するのか。その分析方法を定式化したのがABC分析である。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第61回目である。

【引用はじめ】

 「どういう場で、何をすると、どのような結果が起こるか」という観点から行動を分析することを、ABC分析という。

 Aとは「アンティシデント(Antecedent)」の頭文字で、日本語では「先行条件」と訳される。行動に先立つ条件、つまり「◯◯場合は」ということを意味する。Bは「ビヘィビァ(Behavior)」すなわち行動、Cは「コンセクエンス(Consequence)」すなわち結果である。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.84

【引用おわり】

 ABC分析することで、どう行動したか、明確に分かりやすくすることができる。そのことによって、行動をどのように変えるべきかも見通しがたつようになる。今やっている行動の深い理解につながるのである。 

2021年3月6日土曜日

ABC分析って何?

 同じ行動をしても、その直後にどんなことが起こるかで、その行動が強化されるか、弱化されるか、消去されるかが違ってくる。こうした分析の仕方をABC分析という。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第60回目である。

【引用はじめ】

 「突拍子もないアイデアを言う」という行動が、「白い目で見られる」ことで弱化され、「無視される」ことで消去される。

 しかし、仲間内でこのような突飛なアイデアを言うと、そこでは周りから面白がられたり賞賛されたりするかもしれない。すると、そこでは同じ行動が弱化や消去ではなく強化されることになる。

 このように、職場では、同じ行動をとっても、その直後に起こることは、ある場では強化的であり、また別の場では弱化的または消去的であったりする。

 そこでこのように、「どういう場で、何をすると、どのような結果が起こるか」という観点から行動を分析することを、ABC分析という。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.84

【引用おわり】

 私たちが同じような行動をしても、その行動の直後の状況によって、行動が増えたり、減ったり、あるいはなくなったりする。

 言い換えると、強化されるのか、弱化されるのか、消去されるのかということである。

 こうしたことを明確にする分析法をABC分析と呼ぶ。 

2021年3月5日金曜日

人の行動が強化・弱化・消去される

 会議などにおいて、あなたの発言に対して、周りがどのような反応するかであなたの発言の仕方も変わってくる。発言の直後にどのような状況になるかで、次からの発言が変わる。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第59回目である。

【引用はじめ】

 人の行動は、その直後にどういうことが起こる(または起きない)かで決まる。

 だが、ある行動をとったときに、どのような結果が起こりやすいかは、時と場合によって違ってくる。

 たとえば、会社によっては、偉い人が集まる会議で、あなたが突拍子もないアイデアを言うと、あなたは白い目で見られてしまうかもしれない。そして無視され、何の反応も参加者から得られないかもしれない。

 すると、あなたはもう、このような場では突飛なことは言わず、前例踏襲的なことしか言わなくなるか、さもなければ発言自体をしなくなるだろう。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.83~p.84

【引用おわり】

 会議において、あなたの突飛な発言が受け入れられるか、受け入れられないかで次からの発言内容も変わってくる。突飛すぎるということで、否定されたり、無視されればあなたはそうした発言を止めて、受け入れやすい発言をするようになる。また、発言をしなくなるということだ。雰囲気に抗しきれなくなる。

2021年3月4日木曜日

プロとアマの違い

 ゴルファーのプロとアマの違いはどんなところだろう。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第58回目である。

【引用はじめ】

 プロゴルファーが一般アマチュアより圧倒的にうまいのは、練習やラウンドの数が多いというだけではない。練習の課題を明確に持っていることも、上達の秘訣である。つまり、練習の量が多いだけでなく、練習の質が高いのだ。課題の認識がなく、ただ闇雲に球数を打っても、上達スピードには限りがある。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.82

【引用おわり】

 ゴルフが上達するには、明確な課題が必要だ。それによって、練習の質を高めるのである。闇雲に練習量を増やしても上達にはなかなかつながらない。どこをどのように練習すべきか明確な課題を持つことが必要である。 

2021年3月3日水曜日

課題分析は行動のレベルアップに役立つ

 複雑な行動に対して、個々の構成要素に分けて取り組むと成就しやすい。それが課題分析である。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第57回目である。

【引用はじめ】

 課題分析は、複雑な現実において行動をレベルアップするために役立ってくれる。

 強化をすれば、行動は変わる。

 しかし私たちは、どこを強化したらいいのか、選択と集中をしないことが多い。できないことがたくさんあると、そのすべてをさみだれ式に直そうとする。それでは効果は上がりにくい。

 ゴルフの例をとれば、「ゴルフをする」という包括的に表現される行動を課題分析すると、

  1. ドライバーショット
  2. アイアンショット
  3. アプローチショット
  4. パット
 4つの行動がある。
 問題は、強化の選択と集中をしているかということである。プロゴルファーは、ラウンド中の自分のショットを全て覚えている。「きょう自分はドライバーショットを14回中、4階曲げた」とか、「パット36本中、3本は芯に当たっていなかった」などと振り返ることができる。
 そうすると、自分の課題がどこにあるのか客観的・定量的に把握することができるから、この後どこを中心に練習すればよいかを絞り込むことができる。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.81~p.82

【引用おわり】

 一連の行動を課題分析することで、分かりやすくなるので取り組みやすくなる。それぞれの要素を明確に把握して行動した直後に強化していくのである。意欲的に取り組みをすることができるようになる。 

2021年3月1日月曜日

各人の強み弱みを明確にする

 人それぞれ強み弱みがある。チェイニングによる活動を実施するにしても、その人の強み弱みに合わせたやり方が必要である。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第56回目である。

【引用はじめ】

 営業の課題分析としては、

  1. 初対面で良い人間関係をつくる
  2. 自社や自社製品・サービスの良さを訴求する
  3. 相手の状況や問題、ニーズを把握する
  4. 相手のニーズを満たす解決策を提案する
  5. 品質、納期、価格などの条件を詰める
  6. 契約を締結する
  7. 継続的に受注する となった。 

 Aさんは、ニーズの把握や解決策の提案はうまいが、その前段階である初対面での人間関係づくりや自社の訴求が弱い。

 Bさんは、営業としての経験は長いので、初対面の相手との接し方は心得ているし、見知らぬ人と会う抵抗感もない。ただ、相手のニーズにぴったりフィットするものを出すことがなかなかできない。

 Aさんには、初対面と自社訴求とに指導のターゲットを絞り込み、コツを教え、やらせてみて、うまくいったら褒める、ということを繰り返すのが最も効果的だ。

 またBさんに対しては、他の営業が手がけた案件から、顧客ニーズや提案の事例などをたくさん学ばせ、そのうえで、ニーズ把握と提案にターゲットを絞り込んだ行動強化を行うようにするのが効果的だ。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.78~p.80

【引用おわり】

 仕事がうまくいくためにも、その仕事の内容を課題分析する。そして、その構成要素の強み弱みを明確にして取り組む必要がある。弱みの要素に対しては、ていねいな対策を実施することだ。