2021年3月26日金曜日

覇気のない部下は職場環境が原因

 「覇気のない」部下を、いくら外部研修で変えようとしても変えることは期待できない。そもそも問題は、職場環境にあるからである。職場内で部下の行動は強化・消去・弱化されて、「覇気のない」行動になっていると解するべきだからである。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第78回目である。

【引用はじめ】

 元気のない部下や覇気のない部下をどう活性化したらよいのか。こうした部下には「覇気がないぞ」とか「もっと元気を出せ」と言っても、まるで宇宙人を見るような目つきで見返されたりする。

 そこで、こうした状況を職場で改善するのではなく、外部の研修に派遣して何とかしようとする。こうした外部研修には一定の効果が期待できるものもあり、参加して戻ってくると確かに何か変わったように見受けられることもある。

 ただ、問題は、研修の効果は往々にして持続せず、職場に戻ってしばらく経つと、またもとと同じ状態になってしまうという点です。これは研修が悪いのではなく、人の行動が職場という環境の中で強化・消去・弱化されているためです。

 つまり、その人の行動の原因となっているものは実は職場にあるわけで、そこを変えない限り本人の行動も変わらないのが自然なのです。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.109

【引用終わり】

 職場環境を変えてこそ、部下の行動も変わる。上司が部下に期待にする「覇気ある」行動を生み出すにはどうすればよいか。

 「覇気ある」行動を具体的に定義して、その一つ一つに対して、行動が自発された直後に強化するのである。「覇気がない」時は、消去する。そうしたことを持続的に繰り返す必要がある。上司にとっても根気強い対応がいる。 

0 件のコメント:

コメントを投稿