「覇気がない」といっても具体的にどんな行動か、明確でない。具体的にはどんな行動かをはっきりすると問題が明確になる。問題が明確になってこそ、行動を変えることができるのだ。
そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第79回目である。
【引用はじめ】
覇気のない部下を変えるために、私たちは職場をどう変えればよいのでしょうか。まず、問題を行動的に解釈しなければいけません。
「覇気がない」というのは状態であって行動ではありません。状態を表す言葉は総体的かつ抽象的なので、そのままでは分析も変革もなかなかできません。具体的な行動として問題を定義することから、解決の糸口が見えてきます。
それでは、この部下の覇気がない状態を行動的に解釈すると、どういうことになるのか。
- 職場で顔を合わせても挨拶もせず、ただ黙って通り過ぎる
- 職場では目を伏せがちで、明るい表情をすることがない(明るい表情をする行動が消去・弱化されている)
- ミーティングで発言しない(発言する行動が消去・弱化されている)
- 仕事をゆっくりやる
ということが、全体として”覇気がない"という感じに見える。
舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.109~p.110
【引用終わり】
「覇気がない」とはどんな状態のことか。それを具体的な行動レベルで捉えるとどうなるか。覇気のない問題行動を行動的に解釈してこそ、行動変容に役立てることができる。
日々の活動を丸めないで、行動の一つ一つに着目してその問題を取り上げることが大切である。
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