部下が覇気がないのはなぜか。覇気を持たせるにはどうすればよいか。「もっと覇気を持て」と言ったところで、部下の行動が変わるわけがない。「覇気とは」何かを行動的に解釈することである。さらに、覇気のない「挨拶」などがどのように強化されているのか現状分析する必要がある。
そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第81回目である。
【引用はじめ】
部下に覇気を持たせるためには、挨拶をする、明るい表情をする、発言する、仕事を全速力でする、という行動を身につけさせることが課題である。
それでは、そのためにはどうすればよいか? まず考えられるのは、「挨拶しろ」「明るい表情をしろ」「発言しろ」「仕事をもっと速くしろ」という指示命令です。
言語的指示は行動を引き出します。そのように指示されれば、特別な理由がない限りたいていの人は行動変化の努力をする。しかし、言語的指示だけでは部下の行動変化を持続させることはできません。行動直後の強化がないからです。
そしてもうひとつ考えておかなければならないのは、その部下が今はなぜ、そのように振舞っているのかということです。人がある行動をしたりしなかったりするのは、本人が意識しているか否かは別として、必ず理由があります。その理由は、強化・消去・弱化で説明ができるものです。
ですから、まず今の行動についてどのような強化・消去・弱化が働いているのかを現状分析することが、改善策を考える前にすべきことになります。
舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.111~p.112
【引用終わり】
覇気のない部下に対して、「ちゃんと挨拶しろ」「もっと早く仕事しろ」と指示命令しても必ずしも効果があるわけでない。覇気のない行動でも職場内は許されているためである。覇気がなくても良しとする職場を変えない限り部下の行動は変わらない。部下に対して、覇気のない行動を消去し、弱化し、覇気のある行動を強化することである。
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