2023年2月4日土曜日

自己強化

 上司は今まで、新しいアイデアを述べていた人に対して、「できない理由」を述べる部下を、感心してみていた。しかし、それでは「新しいアイデア」を生み出すという望ましい行動が育たない。そのためには、上司の役割として、今までの「できない理由」に感心するのでなく、「新しいアイデア」に感心するようにするのである。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第322回目となる。

【引用はじめ】

  • あなたが職場の上司なら、部下の「できる方法を述べる」という行動を強化しようと思ったときに、具体的にどうすればよいか。
  • 部下の行動は、周囲からの感心によって強化されている。
  • その中でも、とりわけ上司からの感心というのは高い効果を示すだろう。
  • だからまず、あなたが部下の望ましい行動に対して感心してみせることが重要となる。
  • しかし問題は、あなたにそれが実際できるかどうかである。
  • 「分かってはいるが、できない(やらない)」ということが、私たちの生活には非常に多い。
  • この場合でも、今までは部下が「できない理由」を言えば、あなたに感心してもらえたのに、ある日を境にそれがガラッと変わることになる。
  • 部下にしてみれば、あなたのことを奇異に思うかもしれないし、何よりも自分自身、今ままでと違う振る舞いを突然するのは恥ずかしいのではないだろうか。
  • つまりここでは、部下に感心するという自分自身の行動を強化する必要があるのである。
  • これを自己強化という。

舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.94~p.95

【引用おわり】

 上司にとって、職場において望ましい行動を強化するようにするのが重要である。それには、そうした行動を強化するという自己強化が必要である。部下が「やるべきことをやる」とか「目標を達成する」などがあったら、上司自身も喜んで自己強化するのである。

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