より良い行動をした直後に、好子が与えられるとその行動は強化される。トークンは行動の直後に与えることができる。行動の直後である60秒以内に強化しやすいという意味で、トークンは有効である。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第332回目となる。
【引用はじめ】
- トークンが有効な理由として、60秒ルールにかなっているということがある。
- たとえばディズニーランドで行われている「ファイブ・スター・カード」がその良い例だ。
- ディズニーランドでは、常時数千人のキャストと呼ばれる人たちが働いている。
- 彼ら彼女らをマネージする管理者は私服で園内を巡察し、キャストの素晴らしい行動を目にしたら、すぐに近づき声をかけ、褒め言葉とともにこのカードを渡す。
- カードは後にノベルティ(景品)と交換できたり、5枚たまると、そうした素晴らしいキャストだけが招かれるパーティに参加できたりする。
- キャストにとっての最終的な喜びは景品やパーティであるわけだが、しかし、良い行いをするたびに仕事を中断して、かさばるかもしれない景品を渡したりパーティに連れていったりすることは不可能だ。
- だから、そのかわりに目に見えるしるしとしてカードを与えるのである。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.101
【引用おわり】
ディズニーランドにおいては、キャストのより良い行動に対して、それを見ていたマネジャーが「ファイブ・スター・カード」というトークンを与えるという。トークンをうまく活用している。キャストは、自らの働きぶりをマネジャーが見ているとなれば、ゲストに対してより良いサービスに努めることになるはず。なかなか面白い試みである。
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