ミスの原因を安易に決めつけて、介入すると問題解決につながらないことがある。解決策飛びつきの罠にひっかからないようにしなければならない。そうした内容について、島宗リーダー本による第144回目の引用である。
【引用はじめ】
解決策飛びつきの罠を回避する方法は、介入を始める前に、問題行動の原因をABC分析し、推定した原因に対応する解決策を計画することです。
クリニックにおける採血検査での患者の取り違いの事例では、看護師たちが間違えやすいカルテや伝票、容器の組み合わせを、実際にミスが発生した案件を元に一つひとつ調べてみました。すると、ミスは特定の組み合わせで生じていることがわかりました。検査項目や容器は記号を使って記入します。ところが、その記入の省略の仕方が看護師によって異なるところがあったのです。また特定の省略記号が類似していて判別しにくく、間違いのもとになっていたこともわかりました。ミスの原因は、正しく採血するための先行事象(A)の曖昧さにあったのです。
(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる! リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.81 )
【引用おわり】
問題行動を何とかするためには、ABC分析によってその原因を究明してみる。後続事象(C)にどんな好子や嫌子がどのように随伴しているかを明らかにしてみることである。また、先行事象(A)に問題はないか探ることも必要となる。そうしたABCの随伴関係がどうなっているか明確にして原因を推定するのだ。
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