2024年2月28日水曜日

島宗リーダー本156「少しずつ課題を難しくする」

 中田さんの部下に対する話しかけが適切になるように練習した。コーチの手も借りて、シェイピングの手法を用いて行った。まずは話しかけやすい部下に対して、中田さんのオフィスを使って行った。それが第一段階の練習である。そうした内容について、島宗リーダー本による第156回目の引用である。

【引用はじめ】

 シェイピングとは、標的行動に近い行動に関して、徐々に難易度を高めていき、最終的に標的行動ができるようにしていく方法です。

 上司の中田さんは中田さんのオフィスで、普段から話をしている部下を相手に、簡単な質問をすることから始めました。中田さんがコーチの合図で声をかけ、挨拶し、簡単な質問をします。部下が「はい」か「いいえ」で答えられるような質問を標的にしました。うまくできたら、中田さんが感謝の意を示します。コーチからOKサインが出て、これで1回の練習が終わります。

 5回続けてうまくできたら、少しだけ課題を難しくします。今度は部下はパソコンに向かって仕事をしていて、その後ろから中田さんが近づいてから、同じ会話をしてみます。「少しいい?」といった言葉がけが自然に出てきたら、コーチがOKのサインをだします。コーチからのOKサインが好子で、OKサインを標的行動の直後に示すことで行動を強化しているわけです。これも5回連続してできたら、課題をまた少し難しくします。

(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる!リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.88 )

【引用おわり】

 シェイピングは、課題を易から難へ徐々に高めていくやり方である。中田さんの例は、一つ目の課題が5回続けてうまくできたら、次の課題に移るやり方である。コーチにも見守ってもらい、課題がうまくいったらOKサインが出てそれが好子となったのである。

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