2021年2月7日日曜日

段階的に目標行動を身につけるのがシェイピング

 簡単には身につかない行動を身につけるようにするには、段階的にステップアップする方法を使うのがいい。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第34回目である。

【引用はじめ】

 私たちが身につけようとする行動には、一朝一夕には身につかない難しいものが多い。

 たとえばゴルフで、初心者が格好良く打てるようになりたいと思っても、そう簡単にはいかない。まずはボールに当てるのが一苦労。まっすぐ飛ばすなどは、なかなかできることではないし、ましてや飛距離を出すために速くスイングなどしようものなら、まっすぐ飛ばないどころかボールにすら当たらず、格好悪い空振りに終わってしまうこともある。それを繰り返しいるうちに、やがてクラブを振ることも嫌になる。

 そこで、こういう場合にはシェイピングという方法を使う。シェイピングとは、ある目標行動に向かって、段階的に強化(弱化)してゆく方法である。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.51~p.52

【引用おわり】

 シェイピングは目標に向かって、容易なところから困難なところまで段階的に強化していく方法である。系統的・計画的に進めていけば、難しい行動でも身につけることができる。シェイピングをうまく使えば、嫌になって諦めることなしに続けることができるのだ。個々人に合わせてのスモールステップが必要だが。 

2021年2月6日土曜日

連続強化から部分強化に切り替える

 大事な行動を維持するには、初めは連続強化で行動を形成し、その後部分強化を続け、徐々に強化の頻度を下げていく。ただ、強化は時おりし続けることがその行動を維持することになる。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第33回目である。

【引用はじめ】

 新入社員に仕事を教えるときは、まずつきっきりで、やり方を教え、やらせてみて、できたら褒めることをしばらく続ける。つきっきりで本人の行動を見てあげて、できるたびに褒めてあげるほうが、本人の伸びが早いからだ。連続強化をすることになる。

 いつまでもそれを続けていると、今度は、褒められないと動かなくなる人になりかねない。それでは一人前になったとは言えない。それに、教える側も、いつまでもつきっきりで指導するわけにはゆかない。

 そこで、新しい仕事に習熟するまでは連続強化を行い、それに慣れてきたら今度は2回に1回褒めるようにし、次に3回に1回、そして4回に1回という具合に、強化の頻度を下げていく。部分強化に切り替えてゆくのである。部分強化には行動を維持する効果があるので、褒められなくてもきちんと仕事をする人が育つ。

 ただ、初めのうちは毎回褒めるが、ある日から全く褒めなくなるというのは駄目だ。褒めないというのは「消去」だから、行動が減ってしまう。だから段々と頻度を下げながらも、強化は続けることが必要だ。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.49~p.50

【引用おわり】

 まずはしっかりと連続強化によって新入社員が一人で仕事ができるようにすることである。自立的に仕事ができるようになったら、部分強化によって励ましたりすることを忘れてはならない。もちろん、その部分強化の頻度はだんだん減らすことになる。でも、たまには声がけしていい仕事を褒めることを忘れてはならない。 

2021年2月5日金曜日

連続強化と部分強化

 行動に対する強化を連続的にするか、部分的にするかで、行動の効果がかわる。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第32回目である。

【引用はじめ】

 ある行動をするたびに強化をすることを連続強化、何回かに一回強化することを部分強化という。

 連続強化には行動を早く身につけさせる効果があり、部分強化には行動を維持させる効果がある。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.48

【引用おわり】

 連続強化は、行動するたびに強化することであり、部分強化は何回に一回だけ行動の後に強化することだ。その強化の違いが行動を身につける様相を変えることになる。

 始めは連続強化で行動を早く身につけさせ、その後は部分強化で行動の維持に努めるのがいい。 

2021年2月4日木曜日

60秒ルールは弱化にも当てはまる

 規則破りがあったら、その直後に叱らないとためだ。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第31回目である。

【引用はじめ】

 弱化にも、60秒ルールは当てはまる。たとえば、規則を破るという行動を弱化しようと思ったら、破った直後に叱るのがよい。あとになって叱っても、行動を正す効果は低くなってしまう。

 私たちは、規則破りを目にしたら、その場では叱りそびれ(結果的に黙認してしまい)、そのことをずっと気にしているうちに、あとになって、「あのときの、君のあの行動は、いけなかった」などと言ってはいないだろうか。

 忘れた頃になって叱られても、本人としてはピンと来ない。だが、このやり方では本人の行動は改善されにくい。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.47

【引用おわり】

 問題行動が生じたら、その直後に叱るなどの弱化が必要だ。それによって、問題行動を減らすのである。行動の直後60秒以内に叱ったりすることが大事である。

2021年2月3日水曜日

行動の直後に達成感がある

 行動の直後に達成感が得られるといったことがあれば、その行動は強化される。それも行動の直後60秒以内の達成感である。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第30回目である。

【引用はじめ】

 私たちが毎日仕事をしているのは、どういう心のメカニズムによっているのか。

 「きょうは、これとこれをやる」と目標を定め、それをやる。そして、それができたら「おわった!」「できた!」達成感を感じる。

 これが、仕事を生き生きとしている人の、心の動きである。この場合、目標達成の直後に達成感を感じるから、60秒ルールにかなっていると言える。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.44~p.45

【引用おわり】

 行動の3つの原理、強化、消去、弱化が機能するためには、行動の直後60秒以内の状況がどうなるかで決まる。行動の原因を考えるには、行動の直後60秒以内がどのようになっているかを明らかにすることだ。 

2021年2月2日火曜日

60秒ルール(直後ルール)

 人の行動を制御する原理は、強化・消去・弱化の3つであった。行動の直後にどのようなタイミングでその原理を使えばよいか。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第29回目である。

【引用はじめ】

 人の行動が強化されるか、消去されるか、弱化されるかは、行動の「直後」に何が起こるかで決まる。

 直後とは、実証的研究の結果、行動後の60秒以内である。

 だから、意識的に強化や弱化をしようとしたら、行動後の1分間でそれができるような工夫と努力をしなければならない。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.43~p.44

【引用おわり】

 効果的に行動の原理を使わないと、うまく行動の制御はできない。行動の直後に行動の原理を使う必要がある。それが60秒以内ということになる。行動の直後60秒以内に強化・消去・弱化を使うと、行動の制御がうまくできるようになる。 

2021年2月1日月曜日

パワハラに対しては断固として弱化すべき

 パワハラやセクハラに対して、私たちはどう対応すればいいのか。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第28回目である。

【引用はじめ】

 悪い行動を減らすために、消去よりも弱化を使ったほうがよい理由は次のようなこともある。

 それは、消去ではバーストが起きる可能性があるということだ。

 たとえば職場でセクハラやパワハラ(パワーハラスメント)があるとき、その人の行動を完璧に無視するという消去によって、最終的にその行動は収まるかもしれない。しかし、その過程においてバーストが起こり、一時的とはいえ行動がエスカレートしてしまうかもしれない。

 それでは、いけない。だから、ハラスメントに対しては、やはり断固とした対処(弱化)をして、行動を速やかに止めるべきなのである。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.42

【引用おわり】

 セクハラやパワハラを見逃してやり過ごすことはできない。消去ではますます相手を増長させてしまう。なすがままにしていてはだめだ。はっきりと嫌だと意思表示による弱化に努めることだ。相手の弱さにつけこんで何回も繰り返してくる。最初に強く抵抗を示す必要がある。消去によってバーストを起こさせては被害を大きくさせてしまうからだ。