2020年12月31日木曜日

組織文化のマネジメント

 職場内の組織文化といっても、職員一人ひとりの行動が作り上げているものだ。目指す組織づくりのために、どんな行動を強化し、弱化するか明らかにすることである。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で370回目となる。

 【引用はじめ】

 私たちは日々、職場でさまざまな随伴性や随伴性を記述したルールに制御されて生きている。それが、「組織文化」と呼ばれるものの正体だ。

 組織文化というと、何か漠然として変革の手がかりがつかみにくいものに感じられる。しかし、ある組織の中で機能する随伴性やそれを記述したルールが、そのメンバーの行動を制御していることに気づけば、組織文化変革の糸口は見えてくる。

 目指す組織を作り上げるには、どのような行動を強化していけばよいのか、どのような行動を許してはならないのか。目指す文化を構成する行動を特定し、新たな随伴性やルールを導入すれば、組織文化は変えることができる。それが、組織文化のマネジメントだ。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.328、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 組織文化の変革には、職場の随伴性を変えることである。

 組織内の課題を明確にして、その随伴性を変える。そのことによって、あるべき行動を強化するのである。逆に、問題となる行動を弱化するのだ。

 その中にはルールによって変えられるものもある。

 複雑で困難な課題に対しては、分かりやすい課題分析が必要だ。そこから適切な随伴性を試みるのである。簡単にはいかないことも多い。失敗をおそれず、何度も成功に導く試みを行うのである。

2020年12月30日水曜日

従いやすいルールと従いにくいルール

 ルールには従いやすいものと従いにくいものとがある。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で369回目となる。

 【引用はじめ】 

  1.  従いやすいルール 一回の行動に随伴する結果が適切な大きさで、確率が高ければそのルールは従いやすい
  2.  従いにくいルール 一回の行動に随伴する結果が小さすぎたり(累積的にしか表れない)、確率が低すぎたりするとそのルールは従いにくい

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.326、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 「従いやすいルール」は、「この店のケーキおいしいよ」と言われて、おいしかったら続けてそのケーキ屋に行くようになるということである。

 「従いにくいルール」は、ダイエット中なのに一口ぐらいケーキ食べても大丈夫という具合に、ケーキ食べることが制御できない。「ちりも積もれば山となる」や「私だけは大丈夫」ルールでは、目指す行動を制御できないのである。



2020年12月29日火曜日

シートベルト着用率が上がったのは減点制が導入されたから

 シートベルトの着用率は向上した。それも減点制度ができてからである。強制力がなかったときには、シートベルトをつける人は少なかった。その理由はなぜか。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で368回目となる。

 【引用はじめ】 

 シートベルトをすることで、事故に遭った時の死亡率を半減するという事実があるのに、それを訴えるだけでは、ほとんどのドライバーはベルトをしなかった。

 しかし、平成19年度には一般道でのドライバーの着用率が95.0パーセント、助手席で86.3パーセントになったのは、減点が導入されたからである。

 危険を訴えるルールがなぜ守られないのかというと、そもそも交通事故に遭う確率が低いからだ。

 だから、「自分だけは大丈夫」ということになり、コンプライアンスが得られないのである。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.325~p.326、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 シートベルトを付ければ、死亡率は半減する。そういったルールをわかっていても、シートベルトに拘束されることがイヤというせいで以前は付けない人が多かった。

 結局は、交通事故に遭うことが少ないので、自分だけは大丈夫と思ってしまう。

 減点制という罰則がついて始めてシートベルトの着用率が上がったのである。

2020年12月28日月曜日

タバコ1本吸っても肺がんにならない

  タバコを1本ぐらい吸っても肺がんにはならないし、自分は大丈夫と思っている。ずっと吸い続けても元気な人はいっぱいいるのだから。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で367回目となる。

 【引用はじめ】 

 禁煙も難しい。吸えば将来、肺がんになるリスクが増えるということは、人に言われるまでもなく十分知っているのに、どうしてもタバコがやめられない。吸った瞬間に快感が得られるという強化随伴性と、吸うと将来のリスクが高まるというルールとの「せめぎあい」になる。

 けれど、タバコを吸えば必ず肺がんで命を縮めるのかというと、それは確率の問題だ。

 もしも、ほぼ100パーセント肺がんになるということであるなら、喫煙行動にも歯止めがかかるだろう。

 けれど「肺がんになる人もいる」ということでは、「私は大丈夫」という甘い考えを持つことをやめることはできない。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.325、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 タバコを吸って肺がんになる人は、運が悪い。私は肺がんになるはずがない。私の周りにはタバコを吸って肺がんになった人はいない。

 そんな風に考えて、タバコを止めようとしない。禁煙をしたほうがよいとは健康によいとも思っているのだが、食後の一服は何にも代えがたい快感である。 

2020年12月27日日曜日

ダイエットはなぜ難しい

  ダイエットというのはなかなか難しい。その理由はなぜなのだろう。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で366回目となる。

 【引用はじめ】 

 ダイエットを決意して、甘いものを食べるのをよそうと思っても、なかなか難しい。「甘いものを食べれば太る」というルールがありながら、守れない。なぜか。

 それはまず、甘いものを食べるという行動を強化する強い随伴性があるからだ。甘いものを食べると、その瞬間に口の中に甘美さが広がり、何とも幸せな気分になってしまう。この強化の随伴性に対抗するには、通常のルールはあまりにも貧弱だ。

 食べたら太るとはいっても、ケーキ一個やお団子一串で増える体重は一グラムにもならない。ケーキ一個やおだんご一串を何日も繰り返し、二、三ヵ月するとウェストがきつい。

 「太る」という結果は累積的にしか意味がない。ケーキ一個でも必ず皮下脂肪はつき、体重も増えている。しかし、誰にもわからないくらいほんの少しだけだ。この小さすぎる結果、累積しないとわからない結果は、行動を制御しにくい。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.324~p.325、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 甘いものを食べると太ることは分かっている。

 でも、ケーキを一口食べてもその直後に体重が増えるわけでない。だから、ついつい甘さという強力な随伴性に負けて食べてしまう。

 それが少しずつ繰り返されれば、わずかずつだが体重は増えていく。ダイエットしようと思ってもうまくいかない。

 「ちりも積もれば山となる」というルールでは、ダイエットなどの行動制御は難しい。

2020年12月26日土曜日

従いやすい行動、従いにくい行動

  ルール支配行動といっても、ルールしだいでは従いやすい行動と従いにくい行動がある。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で365回目となる。

 【引用はじめ】 

 私たちが生きる社会には、さまざまなルールがある。

 「お小遣いを貯金しよう。そうすれば、いつか欲しいものが買える」

 「メールをもらったら、すぐに返事をしないといけない。さもないと、やがてメールがもらえなくなる」

 「甘いものを毎日食べていたら、そのうち太る」

 これらはすべて随伴性を記述したルールだ。

 そうしたルールの中に、行動学的に見て、従いやすいものと従いにくいものとがある。

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.324、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 「甘いものを毎日食べると太る」と言われても、ケーキ1個食べてもすぐ太るわけでない。

 ついついケーキに手がのびる。それが度重なればいずれ太ってくる。

 これぐらいのルールという言語指示ではケーキを制御するのは難しい。従いにくい行動といっていい。 

2020年12月25日金曜日

ルール支配行動の維持

   私たちの行動は、言語刺激などのルールによって制御されているものも多い。

 それについて、舞田本では以下のように述べる。舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で364回目となる。

 【引用はじめ】 

 私たちは、日常生活でルール支配行動を頻発する。

 グルメの友人に、「あの店のステーキはおいしいよ」と言われて行ってみる。

 これは、「あの店に行って、ステーキを食べれば、満足する」という強化随伴性を示したルールに従った行動だ。しかし、実際に行って食べれば、随伴性にも直接さらされる。そして、食べてみておいしくなければ、二度とその店には行かない。弱化随伴性によって直接行動が制御されるわけだ。

 したがって、いったんはルールによって生じた行動も、最終的には実際の随伴性に左右されるのである。 

(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.323、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 ステーキのおいしい店を友人から教えられて、行ってみる。実際、おいしかった。

 そうすると、他の人にもあそこの店はステーキがおいしいよと教える。多くが満足する。

 ルール支配行動によって、多くの人がおいしいステーキの店に行くのだ。ルール支配行動による行動の制御である。