新人であるFくんは会議で発言するのは苦手だ。それは、勇気を奮って発言したら、上司から「つまらない発言をするな」と言われた。また、「シーンとした会議」で発言の口火を切るのは難しい。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第46回目である。
【引用はじめ】
新人のFくんが発言しないのか、事実を観察し、ABC分析を行います。例えば、次のようです。
A 先行条件「シーンとしている会議」➡ B 行動「発言した」➡ C 結果「つまらない発言を言うな!」
ここでは、「嫌子出現による弱化」が起きています。Fくんが発言した直後に、上司が「つまらない意見を言うな!」と言ったことが嫌子として働いて、行動を弱めています。原因は、Fくんの内面ではなく、嫌子が出現する会議の環境にあります。
もう一つ、Fくんが発言しづらい環境が、「A 先行条件=シーンとしている会議」にもあります。シーンとしている会議の場では、発言するという行動が引き出されにくくなっています。
発言のあとの嫌子(Cの結果)、シーンとしている会議(Aの先行条件)に改善の余地があります。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.63
【引用終わり】
新人のFくんが発言するには、難しい環境がある。上司からは、ある一定のレベルの発言が求められる。発言したら、「つまらない発言するな」と言われた。会議も積極的にみんなが発言する雰囲気に無い。「シーンとした」会議になっている。
出席者は発言に慎重だ。これもレベルの高い発言が求められているからだろう。Fくんが消極的だとか、ゆとり世代だからというわけでない。発言を積極的にしようとする環境が不足しているのが原因なのだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿