行動を消去しようとすると、一時的にその行動が急激に増えることがある。それが、「消去バースト」だ。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第57回目である。
【引用はじめ】
行動の直後に好子が出現しなくなって、消去される直前に、一時的に行動がたくさん増えたり、強さが強くなったりします。これが、「消去バースト」です。
- 自動販売機で、ボタンを押しても缶ジュースが出てこないと何度もぼたんをたたく
- ボールペンで字を書いていたが、途中からインクが出なくなったら、強くグルグルとペンを押し付ける
- 子どもが泣いていたら、いつもお母さんがかまってくれていたのに、かまわないようにしたら、もっと泣くことがひどくなった
実際に、消去は、ダメな行動、望ましくない行動をやめさせたいときに用いることが多くなります(アメなしで行動を減らす)。
好子を出現させない、もしくは嫌子を消失させなければ、最終的に行動は消去されます。
ただし、その過程で起きる消去バーストのときに、反応してしまったりすると、さらに強化されてしまい、ダメな行動がなかなか消去されない、ということが起きてしまいます。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.72
【引用終わり】
今まで望ましくない行動が維持されていたということは、行動の直後に好子が出現していた結果である。その望ましくない行動を消去するには、好子を消失することになる。
実際、好子を消失すると、望ましくない行動は好子が出現するまで繰り返し出現する。それが、「消去バースト」という現象である。
それを我慢し続けて好子を消失し続ければいずれ、望ましくない行動は消失する。
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