「消去」とは、行動の直後の好子がなくなって、その行動が弱化されることである。「消去」の例は多くみられる。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第55回目である。
【引用はじめ】
世の中には「消去」の例が以下のようにたくさんあります。
- パソコンの電源スイッチを押す(行動)と、電源がついていた(好子出現)のが、いくら押しても電源がつかなくなったら(好子なし)、電源スイッチを押さなくなった(消去)
- ボールペンを紙に乗せたら(行動)、字が書けていた(好子出現)が、インクが切れて書けなくなったら(好子なし)、ボールペンは使わなくなった(消去)
- まわりに会社の悪口を言う(行動)と、まわりが「そうですね」と反応していた(好子出現)が、そのうちまわりが嫌になって反応しなくなったら(好子なし)、悪口言わなくなった(消去)
何が好子になっているかを見つけることで、その好子を出さなくすることにより、消去することができるのです。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.70
【引用終わり】
今まで行動が強化されていたのが、強化する好子が出現しなくなると、その行動は弱化される。それが消去である。
特に、望ましくない悪口ばかり言う人に今までは適当につきあっていたが、悪口に対してなんらの対応をせず無視を決め込む。それの繰り返しで、悪口を述べることも減ったなどの事例は、「消去」の手続きである。
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