2021年8月18日水曜日

行動の直後の結果を変えた改善策

 新人のFくんが会議で発言しない。上司から「つまらない発言をするな」と言われたせいでもある。Fくんが消極的な性格とか、ゆとり世代だからのせいにしても、なんら改善にはつながらない。どうすればよいか。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第47回目である。

【引用はじめ】

 嫌子が出現することで、行動が弱化されるのであれば、好子を出現させて、行動を強化すればいい。

 つまり、Fくんが発言したあとに、何かよいことが起こるように変えていきます。どのような改善策があるでしょうか。

 C 結果 「つまらない意見を言うな!」(嫌子出現による弱化)

 これに対して、次のような「好子」を出現させるのです。「いい意見だね!」、「発言をありがとう!」、「みんながうなずく」、「拍手が起こる」など。

 このように、発言したあとに、好子となりそうな結果を出現させるようにするのです。環境を変えて、行動を強化する改善方法です。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.64

【引用終わり】

 Fくんの発言の直後に「つまらない意見を言うな」という「嫌子」だったりすれば、発言をしなくなる。そうしたことも考えず、上司は「つまらない発言」などという「嫌子」を言ってしまった。これでは、部下は育たない。

 上司には厳しくすればという思いがあったのかもしれない。Fくんは出鼻をくじかれ、意気消沈だろう。発言を控えてしまうのは当然と言っていい。

 まずは励ましの言葉で勇気づける。そこから発言を引き出す必要がある。 

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