息子に対して親が朝の挨拶していたのだが、思春期になって挨拶がかえってこなくなった。そうなると、いつも間にか互いに朝の挨拶もしなくなっている。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第54回目である。
【引用はじめ】
「消去」という概念は、「アメとムチ」ではなく、「アメとアメなし」のマネジメントです。
つまり、「それまで強化されていたものが、行動しても好子が出ない、もしくは嫌子がなくならないと、行動しなくなる」のが「消去」です。
消去の例は、次のとおり。
- 毎朝、子どもに「おはよう」と声をかけたら、笑顔で「おはよう」と返してくれた。
- しかし、思春期になったら返事をしてくれなくなってきた。
- 私も「おはよう」と声をかけなくなった。
いままで、「子どものおはようの返事」が好子になって、「おはよう」と声をかける行動が強化されていた。ところが、そのうち好子が出現しなくなったので、それまで強化されていたあいさつが消去されてしまったのです。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.69~p.70
【引用終わり】
朝の挨拶も互いの好子があって強化されている。子ども側が挨拶をめんどうぐさがってしようとしなくなれば、親の方も自然と挨拶する回数が減り、最終的には「おはよう」という挨拶を言わなくなる。
親の「おはよう」に対して、子どもが「おはよう」の挨拶がない。「好子消失による弱化」によって、互いの「おはよう」の朝の挨拶は消去してしまうのだ。
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