2021年8月29日日曜日

同じものでも価値が変わる「確立操作」という概念

 「サバの塩焼き」がいくら大好物であっても、お腹が空いている時食べるのと、お腹がいっぱいの時食べるのとでは、おいしさがずいぶん違って感ずる。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第58回目である。

【引用はじめ】

 「サバの塩焼き」が大好物であっても、時と場合によっては、この「強さ」が大きく変わってきます。

  • 朝から何も食べずに、やっと夜に食事にありつけた、1か月ぶりに食べる「サバの塩焼き」
  • 直前に外食した後で、お腹がいっぱいのときに、昨晩食べた残りが今日も出てきた「サバの塩焼き」

 同じ「サバの塩焼き」でも、食事をするという行動をより強化する好子としての強さが大きく変わる。好子としての強さを確立する、先行条件の操作のことを「確立操作」というのです。上の例のように「遮断」されていて出てくる好子と嫌子か、逆に「飽和」していて出てくる好子や嫌子では、その強さが違うのです。

 要するに、「確立操作とは、好子や嫌子の力を強めたり、弱めたりする操作のこと」です。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.73

【引用終わり】

 「サバの塩焼き」はお腹が空いた時食べればすごくおいしく感じるし、次に食べらればいいなあと思いも強いものだ。

 それがお腹いっぱいの時、進められても積極的に食べようとしないはず。

 そのように、先行条件が異なれば、行動にも影響が出て、「サバの塩焼き」がおいしく感じたり、感じなかったりする。 

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