ABC分析において、行動の主体は誰になるかを考えて対応する必要がある。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第51回目である。
【引用はじめ】
「A 先行条件」「B 行動」「C 結果」のそれぞれについて、行動の主体が誰になるか、に注目してみましょう。
「A 先行条件」 「笑顔でにぎやかな会議」 (行動するのは「まわり」)
「B 行動」 「発言した」 (行動するのは「本人」)
「C 結果」 「いい意見だね!」 (行動するのは「まわり」)
「A 先行条件」は、「まわり」でできること、「B 行動」は、「本人」しかできないこと、「C 結果」は、「まわり」でできることです。
このように、それぞれ誰が働きかけをすることができるか、と考えると、「B 行動」は、結局のところ本人しかできず、最終的に、まわりにはどうしようもできないことなのです。
しかし、「A 先行条件」と「C 結果」は、まわりでやろうと思えば、いくらでもやれることなのです。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.67
【引用終わり】
新人のFくんが、会議で発言を繰り返すようにするには、ただ単にFくんが「消極的だ」「ゆとり世代だ」と本人のせいばかりにしても問題は解決しない。Fくんの発言を促す周りの人たちの対応をもっと工夫することである。
特に、Fくんの発言に対する直後の周りの反応である。「いい意見だね!」といった肯定的な反応ができるかどうかである。
さらに、Fくんの直前の周りの雰囲気が、わきあいあいで発言がどんどん出るようだと、Fくんも発言することになるだろう。周りの人たちがFくんをリードできるようにすることが大事である。
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